世界のふしぎな木の実図鑑 小林智洋(著)、山東智紀(著)、山田英春(写真) 創元社 (2020/11/18)

植物が編み出した、驚きの知恵と造形!

木の実の形態はじつに多様で、あるものは翼を持ち、あるものは羽根を持ち、またあるものは綿毛を持って空を翔け、あるものは浮きを使って川や海を旅する。

バネ装置やねじれ装置を使って自ら弾け飛ぶもの、鉤爪で動物たちにひっついて連れ出してもらうもの、蟻や鳥などにご褒美を携えてその身をゆだねるものもいる。

人間にとっては災害としか思えない山火事ですら、耐火性を備え、繁殖のチャンスに変えるものまで存在する。

本書は、果実や種子のうち乾燥して保管できるものを広く「木の実」と捉え、驚くべき機能美・造形美にあふれた世界の木の実の中から、ビジュアルのユニークさや、植物の営みのふしぎさを感じてもらうことを優先して厳選した約300種を、美麗な撮り下ろし写真とともに紹介する。

第1 部「あつまる」では、植物分類学上同じ仲間に属する木の実を種類ごとに集め、それぞれの造形のバラエティを楽しめるようにした。

第2 部「ひろがる」では、植物が繁殖のためにとる木の実の様々な移動手段に着目してグループ分けをしているので、生物進化の妙を特に感じられる。

第3 部「かたちづくる」では、棘や凸凹といったテクスチャに注目したり、別の事物に見立てたりして、木の実の個性豊かな形態を紹介している。

すべての木の実には基本情報から雑学もまじえた解説を付すほか、植物分類学の変遷や進化について、世界の木の実分布や活用方法などのコラムも充実。

収録種数、独自の構成、迫力ある写真・レイアウトなど、他に類をみないビジュアル木の実図鑑である。

「図鑑は大好きで何冊も所有していますが、まず開いてみて写真の美しさにびっくりしました。小さな木の実をこんな美しいクローズアップで見られると、今まで見えなかったものが見えてきます。
著者の一人、山東さんはタイの植物観察で日頃目を見張るような珍しい植物をわかりやすい解説で紹介されていますが、本書も同様の語り口で淡々と、しかし素人にもわかりやすく、見たこともない珍しい木の実の特徴を解説されており、どんどん中身に引き込まれます。早速旅先で拾ってきた松ぼっくりやドングリを並べて比較してみました。
図鑑というより、美術書としても読み物としても楽しめる一冊です。」

「そして説明が多すぎずに、簡潔。見やすいし面白いです。買ってよかったです。植物園に行った時も一部見かけたので、図鑑で見た見た?って感じになるので、視覚を刺激して記憶に残るとても良い図鑑です。
もっと詳しく。って思ったらまたみたい物が詳しく載ってる本を探せば良いので導入にも向いてます。」

「見たこともない珍しい種子や実がいっぱいの本。知っている木の実でも写真が素晴らしく、あらためて色や形の素晴らしさを実感させられます。手元におくだけでもワクワクした気分になれる図鑑です。」


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