2018年8月に起きた奈良のバイク事故。

同時に6名が若い命を落とし2名が怪我を負うという悲惨極まりない大事故だった。

中には中学生の女子も含まれていたということで、何も希望がなく辛さしかない。

多くのバイク乗りにとって触れたくない話題だけど、忘れてはならない事故だと思う。

バイク3台に8人が乗っていた

2018年8月31日午前2時20分頃、奈良市八条5の国道24号の高架橋で、バイク1台と原付2台が転倒しているのを、トラックで通りかかった男性が見つけ通報。

3台に分乗していたとみられる男女計8人が付近に倒れていた。

同市内の17~18歳の男性4人と、身元不明の男女2人の計6人が死亡。

他に17歳と14歳の2人も重軽傷を負ったのだ。


その後の調べで、死亡した6人のうち4人が男子高校生だった。

6人の死因は胸や頭を強く打つなどしたことによる失血死や肺挫傷など…。

捜査関係者によると、ミニバイク2台の後を1000ccの大型バイクが走行していたということで、大型バイクの免許は8人全員が持っていなかった。

奈良県警は道路交通法違反(無免許運転)と自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで捜査したという。

若者は自ら危険を好む傾向に

かつてカリスマ的な人気を誇ったシンガーソングライターの尾崎豊

「盗んだバイクで走り出す 行先も解らぬまま暗い夜の帳の中へ……」

有名なフレーズだ。

ときとして、若者は無軌道なものとして描かれることが多い。

たしかに思春期の若者は精神的にも不安定で、情動的な行動に走ることが多いのだ。

放送大学の教材にもなっている「交通心理学」(蓮花一己/向井希宏 著)

その中で、蓮花先生は若者の運転行動について以下の特徴を記している。

初心運転者は運転が未熟で危険に対応できないだけでなく、自ら「リスクテイキング行動」を行うことで危険を招き寄せてしまうというのだ。

リスクテイキングとは自ら好んで危険なことを行うこと。

特に若者はその傾向が強いとされる。

運転の「未熟」さの中には、知識や技能だけではなく、衝動や感情のコントロールがうまくできないという意味も含まれているのだ。

また、若者の特性として、リスクテイキング傾向の他にも

「高すぎる自己評価」や「危険を低く見積もる」といった傾向があるという。

つまり、危険への判断が甘く、自分を過信するということだ。

再発防止のために何をすべきか

夜中にバイクで走り出すということは、少なくともバイクを好きだったのでは。

報道によれば、8人中4名は原付免許を持っていた。

それを欲求不満のはけ口として暴走した末の最期であるとすれば、あまりに悲しい。

思春期の子供の心について周囲の大人たちももっと関心を持ち、理解することが求められているのではないか。

バイクは危ないからと抑圧するのも、逆に無関心になってもいけないと思う。

ネット上には

「バイクは社会悪、世の中になくても困らないもの」等の過激な書き込みも見受けられる。

大多数の善良なライダーの心も傷付けられているのだ。

死人に鞭打つようなことはしてほしくない。

ましてや亡くなったのは未だ14歳から18歳の子供たちだった。

自業自得と吐き捨てるのは簡単だ。

でもそれでは何も残らない。

バイクで若者が暴走して事故死というパターンは何十年も昔から繰り返されている。

それをどうしたら防げるかはとても難しい問題と思う。

このような事故がまた起これば、2輪の規制緩和など論外という風潮にもなりかねない。

2輪ライダーやその関係者、さらにはメーカーの長年の努力で、高速道路でのバイクの二人乗りが解禁されて久しい

バイクの事故が絶えず、「やはりバイクは危険な乗り物だ」となってしまうと、規制の対象になってしまうかもしれない。

再発防止に向けて何ができるのか、ライダーとしても考えていく必要があるだろう。

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