
伝説の女優「のん」が完全復活へ
日曜劇場、ネトフリ、声優…12年のブランクでも衰えない“表現者”の凄み
女優の「のん」(31)が4月放送開始の日曜劇場「キャスター」(TBS系、主演・阿部寛)に出演すると報じられ、大きな話題となった。
彼女の役どころは大学の研究室で万能細胞を発見して脚光を浴びる女性研究者で、物語を大きく展開させる重要な役になるとも言われている。
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連ドラ復帰
NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」(2013年前期)で大ブレークしてから今年4月で丸12年、ちょうど干支が一周したところで彼女が連続ドラマに戻ってくるということで早くも注目度が高まっている。
TBSが誇る日曜夜の金看板という枠で、3年ぶり6回目の阿部寛が主演することもあり、視聴率も予感させる。
のんの連ドラ復帰が本作になった理由について、民放ドラマ制作スタッフはこう分析する。
「このドラマでの役柄は、STAP細胞の研究で“時の人”となった小保方晴子さんをほうふつとさせる役ですが、二番手に永野芽郁さんやなにわ男子の道枝駿佑さんが入っているので、おそらく数話にまたがる重要な役としての登用だと思います。長らくドラマから遠のいていたのは、当時の事務所との契約トラブルを経て2016年に『のん』に改名したことで“お騒がせ女優”としてのイメージがついてしまったことが大きい。改名後も映画への出演はありますが、メジャー作品はありませんでした。独立直後はテレビ局も前事務所への忖度が多少あったかと思いますが、ジャニーズ問題以降は無言の圧力もなかったと思います。今回の地上波ドラマ復帰は、本人も納得できる役柄がやっと回ってきたという感じなのでは。4月にネットフリックスで配信される映画『新幹線大爆破』にも運転士役で出演が決まっており、今後、メジャー作品にキャスティングされる機会は大幅に増えていくでしょう」
「あまちゃん」当時、のんは19歳。
翌年に公開された主演映画「ホットロード」は興行収入25億円超と言われており、朝ドラ女優としては絶好のスタートダッシュを切ったかに見えた。
明日3月14日(金)
「 #私にふさわしいホテル 」の柚木麻子先生原作
橋本愛ちゃん主演の映画「 #早乙女カナコの場合は 」が全国の劇場で公開されます!
私は「私にふさわしいホテル」と同じ役で、ちょこっと出演しています。
なんだか短いスパンで愛ちゃんと演技して面白かったです。
是非劇場へ!— のん official (@non_dayo_ne) March 13, 2025
「あまちゃん」を知らない若い世代も
「『ホットロード』の原作は伝説の人気漫画で、原作者は幾度となく映像化の打診を断っていたのに、のん(当時は能年玲奈)さんの存在を知って実写化を許可したといわれています。しかも『あまちゃん』放送前からこのキャスティングは決定していたそうなので、いかに当時の彼女が女優としてのポテンシャルを秘めていたのかがわかります。松竹のメジャー作品として制作され、相手役の登坂広臣さんもちょうど脂がのりまくっていた頃で、大ヒットとなりました。歴代の朝ドラ女優の中でも理想的なステップアップだったため、各局から連ドラ主演の企画が持ち込まれていたようですが、その頃にはすでに事務所と契約や待遇面でもめ始めており、思うように仕事をすることができなかったようですね」(週刊誌の芸能担当記者)
独立・改名後、女優としては能年玲奈時代の理想的な流れには乗れないまま現在に至っているが、「あまちゃん」のイメージが強すぎたことも、その後の活動に影響を与えたのかもしれない。
「『あまちゃん』は各メディアが行う“歴代ランキング”企画でも1位の常連で、24年にBSで全話再放送された際も大いに話題になりました。いまや存在しない“能年玲奈”という女優の存在が、『あまちゃん』を伝説化させたのかもしれませんが、逆に同作のイメージがいまだに強すぎて、それ以上の作品を生み出せてないというのも、女優としては不運なのかもしれません。ただ、今や『あまちゃん』を知らない若い世代もいるようなので、今回のドラマで圧倒的な演技力を見せつければ、新たなファンを獲得できる可能性はあります」(前出のドラマ制作スタッフ)
一方、改名後の唯一の「代表作」と言えるのは、長編アニメ「この世界の片隅に」かもしれない。
主人公・すずの声をみずみずしく演じたことで話題となったが、16年に国内63館という小規模で始まった本作は、3年近くもロングラン上映され興行収入は27億円を突破した。
声優としての素質についてアニメ系雑誌の編集者はこう話す。
声優としても逸材
「戦時中の日本を描いたこのアニメは高い作品性が評価され、異例のロングランヒットとなりましたが、のんさんの芝居も少なからず後押ししたと思います。テレビでも彼女の芝居は表情がとても豊かですが、この作品を見ると声にもちゃんと表情が乗っていて、これは天賦の才と言っていいレベルです。俳優では神木隆之介さんが声優としても非常に評価が高いのですが、アニメ関係者の間では、のんさんも神木さんクラスの逸材だと言われています。現在はアマゾンオーディブルで湊かなえさんの小説『未来』の朗読をやっていて、こちらもすこぶる評判がいい。声優としてのポテンシャルはとてつもなく高いと思いますね」
元週刊SPA!副編集長で芸能デスクの田辺健二氏はのんの今後をこう分析する。
「若くして『あまちゃん』という作品で当たり役を引き寄せ、改名してからも自分のペースで独自の表現を貫いてきたのんさん。『あまちゃん』から12年がたち、連続ドラマの世界に帰還したことは運命的な何かを感じますが、だからといってあの頃のイメージをのんさんに押し付け勝手に期待するのはいささか乱暴なように思います。本来ならとっくにトップ女優になっていた逸材と言われていますが、のんさんは自分で選んだ表現の道を歩き続け、ひたむきに芝居をし続けた。これは回り道ではなく、表現者であることにこだわりを持つ彼女にとっては必要な道のりだったと思います。進化したのんさんがメジャー作品に返り咲き、ここからどう巻き返していくのか、注目したいですね」
女優として圧倒的なポテンシャルを秘めながら、テレビドラマから長らく消えていた女優・のん。
数奇な運命をたどりつつ、晴れてメジャー作品に復帰した彼女の本領発揮に期待したい。
ネットの声
「あまちゃんで初めて能年さんを見た時「なんて可愛い人なんだろう」と思いました。
でも可愛らしいだけじゃなく、他のどの女優さんとも違う独特な雰囲気がありました。
地上波のドラマで見かけなくなっても消える事なく、ずっとお仕事は途切れなかったんですよね。
同性からの人気が高いのも強味の1つですね。」「岩手県民です。
のんさんは、ずっと岩手のCMに出続けてくれています。出身地でもなく、ただ岩手が舞台の朝ドラに出ていたという縁だけで義理堅く10年もです。そんなのんさんが注目されるのは、岩手県民としてとても誇らしいです。
頑張ってください!」「のんさんは、元々実力があった人。芸能界は、浮き沈みを簡単に左右できる世界で、実力のない人でもカリスマに仕上げてしまう作り物の世界。ジャニーズの問題で、社長になった人がフォーカスされ、のんさんがまたピックアップされ、チャンスが来たんだと思います。実力はあるんだから、今まであまり発揮できなかったのが惜しいですね。」