加齢とともに脳は縮小していく…生活に影響は??

脳は65歳を過ぎると毎年約7?も減少!生活にはどんな影響がある?

健康でも加齢で脳の神経細胞は失われていく

加齢は、他の臓器と同様、脳にも確実に変化をもたらします。

例えば、脳の容積を見てみると、65歳以降、前頭葉や側頭葉と呼ばれる領域を中心に、1年あたり約7?ずつその容積を減らしていくことが知られています。

脳にある神経の細胞は、炎症が起こったり血流が途絶えたりといった病的な理由がなくても、時間が来るとプログラムされた細胞死を迎えていくことが知られているのです。

そして、神経細胞が死んでいくことに加えて、残存して生き残った細胞の容積自体も萎縮していくことが知られていて、脳の容積の減少にはむしろそちらの影響が大きいこともわかっています。

また、脳の中には、アルツハイマー病の原因と言われる脳内タンパク質「アミロイドβ」の沈着が見られるようになります。

このような変化は、アルツハイマー病の患者と比較すれば平均的に少ないものの、加齢だけでも起こりうるのです。

85歳以上の過半数で、アルツハイマー病と診断しうるレベルのアミロイドβの沈着が見られるとした報告もあり、これがアルツハイマー病の診断を難しくしています

実際に脳の機能にはどのような影響があるのか

脳には様々な能力がありますが、とりわけエピソード記憶や作業記憶、遂行機能は加齢だけで低下しやすいことが知られています。

これらの機能は60歳以降に低下しはじめ、加齢とともに加速度的に低下することが報告されています。

物事の処理能力が低下し、時間がかかるようになるため、話す速度もゆっくりになる傾向があります。

そう聞くと納得かもしれません。

全ての脳の機能が衰えるわけではない

「遂行機能」というのは、物事を順序立てて実行する機能です。

例えば、スマートフォンの操作一つとっても、まず指紋認証や顔認証、パスワードを適切に入力してロックを解除し、必要なアプリケーションを探し出して、その上をタップするというようなプロセスが必要になります。

慣れてしまっている人からすれば簡単な作業のように感じられるものの、実際には数多くの工程を一瞬で脳が処理していることがわかります。

こういった機能は70歳以降に比較的急速に衰えてくることが知られており、若い人とは異なってスマートフォンの操作が難しくなる場合があるのです。

しかし一方で、80歳でもスマートフォンを使いこなし、遠くに住む子供や孫にテレビ電話をするなんていう光景も見たことがあるのではないでしょうか。

実際、「歳をとったから」といって全ての脳の機能が衰えてしまうわけではありません。

例えば、見慣れた物や顔を認識する能力、距離の判断は生涯にわたって安定し、若年者よりも良い場合すらあることが知られています。

また、語彙や一般的な知識なども比較的保たれやすいことも知られています。

このように、衰えるところもあれば衰えないところもあり、それらを長年にわたって得た経験、知恵、非認知的な要素がカバーすることで、95歳や100歳になっても社会や家庭での機能を維持することができるのです。



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