大型バイクに乗るために教習所に通った試験場での一発試験も脳裡をよぎったが、お金や名誉よりもきちんと技能を習得したかった

楽しい大型教習

多くの人は教習所時代は楽しいよりも苦痛の思い出が多いようだ。「車なんかはそんな話が多いよね」

しかし、大型バイクの教習は楽しかった

何よりも免許を取るという義務感のようなものがない


失敗するよりもなによりも、通うたびにライディングテクニックが上がっていることが実感できた

最初は下手っぴでよろよろしていたのが、教習のたびににはっきりと上達していることがわかる。

半分くらいは大型バイク(ナナハン)の分厚いトルクの成せる安定感だったことは差し置いて…

そんなことは意識せず、行くたびにナナハンに乗れるのだから楽しくないわけがない

ナナハンを軽々と乗りこなすことなど、到底無縁のことと思っていたのに、それができるようになるのだ。

ただし、アクセルはそんなにふかしていない。

教習所の狭さもあるのだけど、ほんとに少しひねるだけでこのスピードこの加速…。

ブンブンひねったらどうなるのか…それが怖くてできなかったビビりでもあったのだけど

課題をクリアしていく楽しみ

バイク教習には課題がある。

たとえば、幅30センチ長さ15メートルの一本橋(直線狭路コース)は10秒以上かけて渡らなければならない。

卒業検定のときは、この一本橋から落ちると即検定中止となる。

初めのうちは、8秒とか9秒かかっていたのが練習を重ねると12秒台で渡れるようになる。

コツは、一本橋に乗るとき(発進時)が不安定なのでアクセルをふかし気味で素早く乗ること、そして視線は遠く(出口あたりを)見ることだ。

普通二輪では駆け抜ける感じでも(7秒なので)うまくいけるが、大型バイクはそうはいかない。

それでも、一本橋はなんともいえない緊張感が心地良い

スタート前の静止で体中にスイッチが入る感じが大好きだった。

等間隔で5本のパイロンが並ぶコースをスラロームで走り抜けるのはそれほど難しいとは思わなかった。

一本橋と違ってスピードを競うのだが、アクセルコントロールと体重移動…。

バイクを操作する醍醐味が全て詰まっているような気がして走るたびに上達する楽しさを味わうことができた。

とはいっても、リズム感のみでなんとかなるんだけどね。

誰もが苦戦するという坂道発進も問題ない。

フットブレーキとアクセルと微妙なクラッチワーク…

確かに大事なのだけど、ある程度雑な操作でもナナハンの分厚いトルクがカバーしてくれる

エンストしてしまっては問題だけど、そういった心配もなかったのだ。

多くの人が苦戦するのは一本橋と急制動

坂道発進も難しいという人もいるかもしれない。

しかし、落ち着いてやればなんとかなる


一本橋も卒業検定をパスするためなら、減点覚悟で駆け抜けるといいだろう。

スラロームも度胸一発でなんとでもなると思う。

そんな中で、問題なのが急制動だ。

大型バイクは当然ながら重い。

それだけ慣性モーメントが大きいのだ。

急制動は、時速40キロで走り、指定された位置から急ブレーキをかけて停止線手前で止まらなければいけない

停止線を越えたら即検定中止となる。

さらに、スピードが40キロ出ていないと減点対象となる。

雨の日と晴れの日では停止線までの長さが違う。

タイヤをスリップさせてはいけない

これが、練習ではきっちりできているのに、検定ではロックやスリップさせて転倒する人が少なくないのだ。

いつもとは違う緊張感がそうさせるのだと多くの人が言う。

理詰めで考えると、ブレーキングを開始することで、バイクの荷重は前輪に移動する。

前輪に移動した荷重を受け止めるために、フロントブレーキレバーを絞っていく。

そのとき、後輪からは荷重が減少しているので、その状態でリアブレーキを強くかけると、リアタイヤがスリップしてしまうのだ。

このあたりの微妙なブレーキワークに皆苦戦する。

フロントブレーキのほうが効き過ぎるので、後輪がスリップしないようにフロントブレーキを強くかけてしまうと、後輪タイヤのスリップ以前に前輪がロックして転倒してしまうのだ。

練習ではなんとなく感覚で理解できることも、検定のちょっとした緊張感の中では、いつものプロセスができずに、軽いパニック状態になってしまい、フロントブレーキをかけすぎて転倒、リアブレーキをかけすぎてスリップ…ということになってしまう。

実際に検定のときは普通二輪、大型にかかわらず転倒する人が多い。

見ている検定員も一番緊張する瞬間と言っていた。

実際に多くの教官(検定員も含めて)が急制動のときは近くに来ている…それがまた緊張を生むのだが…。

でも、これは絶対にマスターしなくてはいけない

公道で走っていると、スラロームや一本橋、さらには坂道発進よりも急制動の技術が一番役に立つ

スラロームは車を避けて前に出るために(危ないけど)、一本橋はすり抜けるために(これも危ないけど)、坂道発進は日常的によくある、そして急制動は、前にふらっと現れる車にぶつからないために…。

バイクを運転していると、ひやりとすることはたくさんある。

目の前を車が横切ることも少なくない。

教習中に急制動でコケるくらいの経験をしておいたほうがいいのかもしれない。

コケたことがトラウマになってしまったら困るけど…。

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