欧州では速度自動抑制システム「ISA」が義務化…日本も導入へ

車のスピード違反無くなる? 欧州で速度自動抑制「ISA」義務化 日本も導入検討へ 

近年中にアメリカでの義務化の可能性もあり、また日本でも国土交通省がISA採用について2017年から検討をしているところです。

日本人には聞きなれないISAという言葉ですが、いったい何なのでしょうか。

欧州でいち早く義務化される「ISA」っていったい何?

ISAは、制限速度の情報を通信によってクルマが得て、先進運転支援システムと連動させるシステムです。

具体的には、車載カメラ、また地図情報とGPSなどの衛星測位システムを組み合わせて、走行時の制限速度を認識するというものです。

日本で最近発売されているクルマにも、高度な運転支援システムのなかでカメラが道路標識の画像を認識して、メーター内などに制限速度を表示するシステムが組み込まれたものがあります。

この場合、単なる制限速度表示であり、自車の速度が制限速度を超えていることを示す機能ではありません。

一方、欧州でいち早く義務化されるISAには大きくふたつの機能があります。

ひとつは、制限速度を超えていることをドライバーに表示や音で警告すること。

もうひとつは、クルマ側のシステムが強制的に制限速度まで速度を抑制する、スピードリミッターを作動させることです。

こうしたスピードリミッターに似た考え方として、スバル新型「レヴォーグ」に搭載された次世代運転支援技術として「アイサイトX」があります。

アイサイトXは、高速道路走行中の道路状況を地図情報とGPSを組み合わせた自車位置から判断し、「安全運転が可能と思われる速度」まで自動で減速します。

この「安全運転が可能と思われる速度」について、スバルのエンジニアは「あくまでも我々のリアルワールドでの実験から割り出した速度」と説明しており、

国やほかの自動車メーカーとの情報共有をしているワケではないといいます。

日本でもISAが導入されるとスピード超過が激減する?

ISA欧州義務化に関して、オランダに本社がある、世界各国の自動車メーカー純正ナビに地図情報を提供しているTomTom(トムトム)が市場状況を説明する資料を作成し、2020年12月10日に公開しました。

それによると、欧州連合(EU)の執務機関である欧州委員会(EC)の調査では、欧州の交通死亡事故の30%は速度超過が原因だといいます。

また、アメリカの運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、2018年のアメリカの交通死亡事故車の26%にあたる9378人は、速度超過が起因しているとしています。

こうしたなか、自動車の衝突安全や予防安全についてメーカー側の意識を高め、

またユーザーに対する情報公開をおこなうNCAP(ニュー・カー・アセスメント・プログラム)で、欧州NCAPにはISAが評価項目に組み込まれています。

日本のJNCAPは、ユーロNCAPを参考に、数年遅れて同じ評価項目を採用していましたが、ISAについて近年中にJNCAPでも採用される可能性があります。

そうなると、たとえばJNCAPで「夜間の歩行者保護」に関する項目が採用された際、

自動車メーカー各社の先進的運転支援システムが一気にグレードアップしたように、ISA機能の標準装備化が一気に進むかもしれません。

トムトムでは日本市場を含めて、高度な地図データ情報の提供として、

自動運転レベル1から2まではADASマップを、また運転の主体がドライバーから自動車のシステムに移るレベル3以上では高精度なHDマップを提供しています。

さらに、トムトム関連システムをクラウド上で集積する、プローブデータ数は6億以上で、欧州の朝晩ラッシュ時の約2割のクルマからプローブデータを収集しているといいます。

そのうえで、車載データから取得した走行データを解析するためのさまざまなツールを、自動車メーカーや自動車部品メーカーに提供。

日本では2020年12月4日に発売された、三菱新型「エクリプスクロスクロス(PHEV含む)」に、

トムトムの地図やコネクテッドナビゲーション、リアルタイムトラフィックサービスなどの最新技術をフル装備したインフォテイメントシステムが搭載されています。

重大事故は確実に減少する

近年、自動車の動力性能や走行性能が上がり、制限速度を大きく上回って走るクルマが目立ちます。

一般的には、実勢速度と称して交通の流れに乗って走ることが当たり前になっているのが実情です。

実際に、東京の首都高速が空いている状況で制限速度60kmで走行してみると、実勢速度は時速80km以上に感じます。

また、東京湾アクアラインなどでは、制限速度80kmに対して、追い越し車線の実勢速度が極めて高いという印象を持っている人も多いでしょう。

こうしたなかで、日本でISA採用が増えることによって、重大事故が減少することが期待されます。

ただ、速度抑制が強まれば、高性能なクルマを楽しむ機会は減り、

そうしたクルマを楽しむのはサーキットなどの安全性を十分に担保したクローズドエリアだけになってしまう可能性があります。

近年、欧米で進む、ハイパフォーマンスカーメーカーが手掛けている自社ブランドのユーザー専用のプライベートサーキットは、これからの世の中の流れを考えたうえでの新たな戦略なのかもしれません。

ネットの声

「これを普及させながら、同時に道路の規制速度・指示速度・法定速度の見直しも行ってもらいたいもんだ。下げるべきところは下げ、上げても問題ないところは上げるとかね。(スピードアップ=悪という議論や、スピードダウンさえしていればどんな運転でも安全運転だという勘違いの議論はここではなしでお願いします)
本当に安全運転ができるようになることと、路上の安全が確保されることを願う。」

「日本は制限速度が低すぎる事が問題になる。それより右側車線(追い越し車線)を延々と走る面倒臭がりで周囲の迷惑を省みない自己中の車に警報音出したり強制的に左側車線(走行車線)に戻す機能を付けてもらいたい。」

「これを実現するなら同時に逆走車対策も行ってほしい。逆走しようとしたら警告を鳴らし、それでも止まらないなら強制的にストップするとか。」

取り入れるなら一気にやらないと意味がないでしょうね。



おすすめの記事