アジアで初めてアカデミー作品賞を受賞。

社会の分断や貧富の格差など、普遍的な主題がある一方で、韓国ならではの文化や習慣なども描かれています。

映画の理解を深める豆知識をご紹介。

こんな作品

「半地下住宅」に暮らし、全員が失業中のキム一家。

長男のギウが身分を偽り、高台の豪邸の家に潜り込むことから、物語は動き出します。

キム一家は作品が進むにつれ、裕福な家庭へのパラサイト(寄生)の度合いを強めていきます。

計画はうまくいくかのように思われたのですが、そこから想像を絶する展開が待ち受けていた…。

作品は韓国を始め世界各国で大ヒット。

カンヌ映画祭では韓国映画として初めて最高賞のパルムドールも受賞しています。

日本でも、2月5日時点で100万人の観客動員を記録。

半地下住宅

まずは、キム一家が暮らす「半地下住宅」。

日当たりが悪く、窓を開ければ、道行く人の膝下が見えます。

決して快適には思えない住宅ですが、これは作品上のフィクションではありません。

韓国では低所得者の住宅としては一般的な形態なのです。

ポン・ジュノ監督は取材に

「韓国の低所得者層の約10%がそのような住宅に暮らしているという統計が出ています」

と語っています。

もともとは防空壕だった空間を、住宅に代用したというものです。

イギリス公共放送のBBCは、実際に半地下に暮らしている人たちを特集しています。

チャパグリ

緊張のシーンで登場。

韓国麺にも注目が集まっています。

日本語字幕では「ジャージャー麺」と訳されているのですが、実際には登場人物は「チャパグリ」と話していました。

これは「チャパゲティ」と「ノグリ」という2種類のインスタント麺を混ぜ合わせて作る料理。

バラエティー番組で紹介されたことがきっかけに、誰もが知る食べ物となりました。

元AKB48の指原莉乃も2月6日、この「チャパグリ」を作ったとTwitterに投稿。

「パラサイト」の公式Twitterアカウントもレシピを公開しています。

ジェシカジングル

架空の設定を暗記するときに、ギウの妹ジェシカが口ずさんだリズムも「ジェシカジングル」として、人気を集めています。

韓国のスポーツ紙「ソウルスポーツ」によると、アメリカなどでも真似をする人が続出しているといい、動画投稿サイトにはリミックス版も登場しています。

ジェシカを演じた俳優パク・ソダム自身が、「ジェシカジングル」のやり方を教える動画もTwitter上で公開。

台湾カステラ

ソン・ガンホさん演じるキム家の父ギテクをめぐり、度々話題になっていた「台湾カステラ」も印象に残っている人もいるかもしれません。

この台湾カステラは、2016年ごろから韓国で大流行したスイーツ。

店の前には大行列ができ、各地に店舗が次々とオープンしました。

しかし、食品の安全性をめぐる報道などを受けて、一気にブームは去ったのです。

客足が遠のいた台湾カステラ店は相次いで廃業に追い込まれました。

そのため、韓国では「台湾カステラ店の元オーナー」は失業者の代名詞のように認知されています。

技士食堂

このほかにも、キム一家が行ったバイキング形式の食堂は、安価でたくさん食べられる「技士食堂」。

タクシーやトラックなどの運転手御用達のため、そう呼ばれ、ソン・ガンホが主演した映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」にも登場していて、記憶に残っている人もいるかもしれません。

アカデミー賞の受賞に注目が集まりますが、ストーリーとは別の点に注目してみるのもいいですよ。

ネットの反応

「先日、大学生の娘と観に行きました。韓国の低所得者層は生活が大変で、だからみんな必死に勉強して大学に入るんだなぁと思いました。最後はどんよりした気分になりましたが、いろいろ考えさせられる映画でした。」

「韓国映画は独特な空気感があるから、好き嫌いは分かれると思う。あと、この映画は自分の置かれている状況によっては感想が分かれると思う。ある程度裕福な人は、ブラックコメディなところに惹かれるだろうし、貧しい人はふざけるなと怒りの方が強くなりそう。アカデミー賞を受賞したのも、審査員はある程度裕福だろうから、面白いと判断したのかも知れない。でも本当に半地下に住んでいるような人からしたら、社会に対する憤りしか感じないと思う。」

「ソンガンホ主演の映画は面白い。これはまだ見ていないけど。韓国というだけで見ないのは、少しもったいない。」

映画はクオリティも高いし面白い。韓国社会の実情をよく表してるし、彼等独特の世界観がありますよ。

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