楽天の迷走…大赤字の元凶“楽天モバイル”は黒字化するのか

楽天、大赤字…楽天ポイントも改悪、赤字の元凶「楽天モバイル」は黒字化するのか?

楽天グループが、直近の決算で大きな赤字となりました。その影響だけとはいえませんが、楽天ポイントも改悪となっています。ここでは、楽天グループの赤字とその原因について解説します。

楽天グループの決算の内容は?

まずは、楽天グループの2022年12月期 第2四半期決算短信の内容を見ていきましょう。

・売上収益(2022年1月1日?2022年6月30日)
約8,936億円 (前年度の同期間は約7,937億円)

・営業損益(本業の利益)
約1,971億円の損失 (前年度の同期間は約1,009億円の損失)

・税引前利益
約2,145億円の損失 (前年度は約955億円の損失)

このように、売上高は前年度に比べて伸びていますが、営業損益・税引前当期損益ともに、前年度よりも赤字が大幅に増加しています。

楽天ポイントも改悪が続く

必ずしも赤字の影響だけとはいえませんが、2022年に入ってから楽天ポイントの改悪も続いています。

主なポイント制度の変更は以下のようなものがあります。

・楽天市場のポイントの対象が税込価格から税抜価格へ
・マネーブリッジ設定での普通預金金利優遇の内容変更
・投資信託でのポイントの改悪
・楽天銀行口座から楽天カードの利用代金を引き落とした際のSPU倍率の変更
・楽天PointClubのお誕生日ポイント廃止

直近では、誕生日月に最大700ポイントがもらえる「お誕生日ポイント」が2022年8月をもって終了となることが発表されました。

赤字の原因は楽天モバイル

このように、楽天グループやユーザーに大きな影響を与える赤字の原因は、実は楽天モバイルです。

楽天グループの2022年12月期第2四半期におけるセグメント別の営業損益をみると「インターネットサービス」で約386億円の黒字、「フィンテックサービス」で約492億円の黒字と、ともに黒字になっています。

しかし、「モバイルサービス」だけは、約2,593億円の赤字です。しかも、かなり大きな数字です。

これまで楽天モバイルは使用料金1年間無料のキャンペーンが大きな話題となっていました。

ついにこのキャンペーンが終了を迎えたことで、無料ユーザーの有料化により、売上収益の増加が見られています。

ですがそれ以上に、モバイルセグメントでは、自社基地局設置などの先行投資により赤字幅が膨らんでいます。

インフラを整えるためには巨額の投資が必要になるため、この傾向は一定期間が必要になることが予想されます。

これからの楽天モバイルの収益に注目

楽天グループの赤字の原因は楽天モバイルでした。

ただし、売上高は増えているため、積極投資の結果の赤字という側面も見えてきました。

楽天グループの経営体力がどこまで続くのか、それにより、さらなる楽天ポイントなどの改悪が起こる可能性もあります。

いずれにしても、今後もインターネットサービスやモバイル事業にはさらに注力していくことが見て取れます。

最新技術への投資や海外展開など、積極的な事業展開を見せる楽天が今後どのように変化していくのか、引き続き注目していきたいですね、



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