リターンライダーの弊害!?50代のバイク事故が急増している

【50代のバイク事故激増!!】四輪の事故数は減ったのになぜ!? バイク事故数はなぜ増えたのか

バイクブームに加え、二輪車定率割引も開始され、ますますバイクの人気に拍車がかかりそうな昨今。

しかし、2021年は50代以上のバイク事故が大幅に増加していることが判明したのです。

首都高でも前年から「バイクの死亡事故が5倍に増えた」と警鐘を鳴らします。

16年ぶりに二輪死傷者が増加! “高速半額”で事故増を危ぶむ声も

「二輪車定率割引」が4月2日から開始されました。

ETC限定で土日祝日に適用され、一回の走行で100km以上などの条件を満たせば料金が「普通車の半額」になる割引です。

複雑な条件があり、ライダーから不満の声はあるものの、歓迎する声も多くなっています。

何より「いつでもどこでも普通車の半額」という次のステップに向けて一歩を踏み出したことになります。

二輪車定率割引が今年のゴールデンウィーク(4月28日~5月8日)に適用されることになったのも朗報でしょう。

既存の休日割引は、ゴールデンウィークなどの混雑期に除外され、クルマは割引を受けられませんが、二輪車定率割引は適用が決定。

これキッカケに利用者が増えれば、より利用しやすい制度に改善される可能性が高まるでしょう。

こうした状況に対し、二輪事故の増加を懸念する声も一部にあります。

2022年3月に警察庁がまとめた「令和3年中の交通事故の発生状況」によると、「原付乗車中」、「自動車乗車中」、「歩行中」、「その他」のカテゴリーで大幅減となる中、自動二輪乗車中(51cc以上)の死傷者数は前年から236人増の2万3437人(1%増)。

手元にある過去の統計を遡ったところ2005年以来、年々減少していましたが、少なくとも16年ぶりに増加に転じてしまいました。

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多くの年代で減少する中、オヤジ世代は死者数も増加している

より詳しく状況を見てみると、自動二輪の死傷者で増加率が最も多かった年代が70~74歳。

+69人の大幅増で409人(20.3%増)でした。

増加数では50代以上が目立つ。50~54歳が最多の256人増(2676人 10.6%増)。

これに55~59歳の114人増が続き、50代だけで370人も増加してしまったのです。

なお、60~64歳は62人増、65~69歳は76人増で、60代の死傷者も多くなっています。

死傷者数自体は20~24歳の3078人が最多ですが、44歳以下は軒並み減少傾向。とりわけ50代以上が大幅に増加しているのです。

重傷者数については、前述のカテゴリーで唯一、自動二輪乗車中のみ増加し、11人増の4192人に。

ここでも50代以上のオヤジ世代が際立っています。

重傷者が最も多いのが50~54歳の549人で、前年から95人も増加(20.9%増)。

55~59歳は21人増の397人でした。

増加率では70~74歳の28.8%増(23人増の103人)が最も多くなっています。

なお、自動二輪乗車中の死者数に関しては、前年の385人に対し、332人と減少しましたが、こちらでも目立つのはオヤジ世代。

40~44歳の14人増(31人)を筆頭に、60~64歳の12人増(31人)が続くのです。

30~34歳が2人増(21人)となったほかは全年代で減少しています。

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コロナ禍のバイク人気で乗り始めたリターンライダーが事故に?

この数年よく言われることですが、50代以上のバイク事故が増えた原因は、リターンライダーによるものと予想されます。

1980年代の若い頃バイクに乗っていた人が、就職や結婚などを機に手放し、昨今のブームもあって久々にバイクを乗り始めたライダーたちです。

コロナ禍で「密」を避けられる趣味として、バイクやキャンプツーリング人気が後押ししているのでしょう。

特に2021年は250cc以下のセールスが伸びましたが、多くのリターンライダーも購入したはず。

久々に乗ったバイクでのシティランやツーリングの最中、若い頃より視野が狭くなっていたり、注意力が不足した状況で他車などに接触。

あるいは昔の感覚でつい速度を出してしまい、直線やコーナーで転倒というケースが想像できます。

首都高でバイクはクルマ比で18倍死傷事故が発生、死亡事故は5倍に!

首都高速道路会社もライダーに「事故防止」を呼びかけています。

2021年は首都高でもバイクの死傷事故が多発しており、「首都高バイク死傷事故多発!」とポスターやWebサイトで啓発。

首都高のバイク事故件数は、全体の2%と少ない状況ながら、体がむき出しになっていることから事故が重大化しやすく、クルマなどと比べて死傷事故は約18倍。

1か月平均では7件以上死傷事故が発生しているそうです。

2021年度の首都高におけるバイクの死傷事故件数は、前年度と比べ約1.4倍。死亡事故は1→5件に増えました。

また、高速道路での死亡事故件数が8人増の25人なのも気になるところ。

年代は不明ですが、特に軽二輪(126~250cc)は7人増の11人と目立っています。

バイクの死亡事故のうち、死因の大半を占めるのが頭部・胸腹部の圧迫。ヘルメットを正しく装着するのはもちろん、胸部プロテクターの使用を首都高でも呼びかけています。

バイク事故が増加してしまっては、せっかくスタートした二輪車定率割引の先行きも台なしになりかねません。

これからのシーズン、バイクで走る機会が増えます。

交通弱者であるだけに不慮の事故も起こり得るのですが、安全な装備と慎重なライディングで少しでも事故に遭う確率を減らしてみてはどうでしょうか。

ネットの声

「夫婦でツーリングに2組で行った時、女性を先頭に走っていたが、ワインディングでカーブの曲がり角を間違えて飛び出した。次に、男性を先頭に走っていたら、男性がクイックに曲ったのに他の女性が、また飛び出した。車ではそんな事が起こらないが、完全に道を理解しきれてないのが原因かと。車はハンドルで切り出せば曲がるけどバイクは途中から倒すのは難しいし目線がビビって曲がらない方に向くし。運転の技術というより、経験とか理解の方が大切かなと。運転する前によくバイクについて勉強が必要かと。」

「バイクは構造上の問題があるかと思いますが足付きは良いように改善するべきと思いますね。ま、購入する人が見極めたら良いんですけどね。体に合わないバイクは危ないし。少しの体勢の乱れで命取りになりますからね。何より法定速度で走れば、まず事故なんて起こさないし。すり抜けとかしなければ安全なんですけどね。速く走りたくなる気持ちはわかりますけど。自分の体の衰えなどをしっかり意識することですね。無謀な運転をする人が増えて規制が多くなるのは、バイクを乗る人間として残念なことなので。皆さん気をつけて乗りましょう。」

「以前は、大型バイクに乗るには、合格率1パーセント、司法試験より難しいと言われていた限定解除試験に合格する必要がありました。
しかし、アメリカなどの外圧で、1996年から教習所でも大型二輪免許の教習を受けられるようになった。
そして、1980年台の前回のバイクブームの時に大型バイクに乗るのを諦めていた層も50~60歳になり、リベンジライダーが増えていることがバイクによる死亡事故増加の原因で、事故率に大きな変化は無いと思います。
コロナでバイクに乗る人が増えたことも事故が増えた原因の一つと思いますが、車の運転手がバイクの特性に慣れていないため、バイクの事故を誘発している面もあると思います。自覚のなき煽り運転です。
従って、事故率の増加は一過性のものと思われます。事故防止の啓蒙活動は大事ですが、規制強化などは不要で、リベンジラウダーが体力的にバイクに乗れなくなれば落ち着くはずです。」

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