結局石油って後何年でなくなるの?可採年数の計算式!

「石油はあと30年でなくなる!」昔はよく耳にした言葉、どうなったの?

「可採年数」で生じたズレ

子どもの頃、「石油はあと30年でなくなる」という言葉をよく耳にした。

それから30年以上が経過した今、石油はなくなるどころか依然として世界中で生産され続けている。

あの頃の不安を煽るような予測は何だったのだろうか。

石油の埋蔵量の現状と今後について詳しく見ていこう。

「可採年数」の計算式

石油について調べ始めてみると、国際環境経済研究所が2024年11月21日に公式した「石油埋蔵量とは?」に疑問を解消する記述があった。

この記事によると、そもそも「あと30年でなくなる」という考えに誤解があったというのである。

「あと30年」は可採年数を意味するものであり、下記の計算式で算出される。

可採年数=石油埋蔵量(R)/当該年の年間原油生産量(P)

右辺の分子である石油埋蔵量(R)は一般に、「天然に存在する石油のうち商業的に採取(生産・回収)可能と考えられる量」を指す。

つまり地球上に存在する全ての石油量ではなく、経済的、技術的に回収(生産)可能な量を示しており、技術の進歩や新たな油田の発見などによって変動する数値だ。

可採年数は増加している

特に技術革新の影響は大きく、従来は経済的に採掘が困難だった油田からも石油を取り出せるようになった。

例えば、シェールオイル(従来の油田よりも深い地層に封じ込められている石油)の採掘技術の進歩により、アメリカの石油生産量は2009年以降大幅に増加している。

また2020年末時点での世界の石油確認埋蔵量は約1.7兆バレルであり、これを2020年の石油生産量で換算した場合の可採年数は53.5年となっている。

このように1980年代の予測から20年以上経過した今でも、可採年数は増加しているのだ。

しかし石油の可採年数が50年を超えているからといって、安心してよいわけではない。

例えばOPEC諸国への依存度が高い石油の生産は、政治的な要因で供給が不安定になる可能性や、気候変動対策として化石燃料の使用削減が課題になっている側面もある。

有限な資源であることは間違いない

このように「石油はあと〇年でなくなる」という予測は、技術革新や新たな発見により常に覆されてきた。

しかし、石油が有限な資源であることに変わりはない。

再生可能エネルギーの活用が進み、石油の使用量の減少も予想されている。

石油がいつまで続くかは、技術革新や代替エネルギーの開発、環境政策など、様々な要因に左右される。

重要なのは、石油がいつまでもあるとは考えず、限りある資源として大切に使っていくことである。

ネットの声

「石油は枯渇しない。安いコストの石油は枯渇する。それだけ。石炭を液化して完全に石油諸製品に代替する技術なんか第二次世界大戦時代に実用化されている。ただコストが割高過ぎるだけ。」

「混雑した道路走ってるとどれだけ潤沢に石油があるんだ?といつも思う。
特に長期連休で混雑した見通しの良い高速道路。
最近は円安もあって上がったけど税金引くとミネラルウォーターより安いくらいで高いのは政府の税制のせい。
石油の恩恵は限りない。」

「子どもの頃、あと何十年ってよく耳にしました。
大人になるころには車はみんな電気自動車になっていて、石油を使わない社会になっているのを想像していましたが、まったく変わってませんね。
そういう未来を予測した人っているのでしょうか。」

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