
「安いけどキツイ」夜行バス、“横になって”寝られる“フルフラットシート”を国内初導入…2段ベッドのような座席「『高速バス、アリじゃん』と思ってほしい」
夜行バスの移動で「体がキツイ…」と感じたことがある人も少なくないのではないでしょうか。
そんな夜行バス移動を「快適なものにしたい」と、シートを完全にフラットな状態にできる“フルフラットシート”が開発されました。
目次
フランス語で“熟睡”=「ソメイユプロフォン」
▼京面龍太郎アナウンサー
「こちらが、国内初の“フルフラットシート”を搭載した、高知駅前観光の高速バスです。中に乗ってみますと…まるで2段ベットが並んでいるようで、寝台列車のようです」
座席のリクライニングを完全にフラットな状態に倒せる「フルフラットシート」=「ソメイユプロフォン」です。
フランス語で“熟睡”を意味するその言葉通り、完全に横になって寝ることができます。
開発の中心となったのは高知駅前観光。きっかけは、30年以上前にさかのぼります。
当時の社長=梅原國利会長が、海外で、“寝台バス”に乗ったことでした。
▼高知駅前観光 梅原章利社長
「『“寝台バス”というものが海外にはあるんだ』、ということを知って『日本でも実現したい』という思いがあり、当時、国土交通省に相談したんだけど、当時の回答は『寝台車両は日本では認められない』というものでした」
一度は頓挫した「寝台バス計画」
しかし、2016年に会長が思いついたのが「座席をフラットに倒す」というアイデアでした。
▼高知駅前観光 梅原章利社長
「9年前に『シートをフラットに倒したらどうなのか』『(座席の)上部空間を有効利用する方法があるのではないか』と会長が閃き、そういったところからプロジェクトがスタートしています」
■長さは1m80cm…まるで2段ベッド
設計は模型製作会社の「サーマル工房」、製造は機械メーカーの「垣内」。
県内企業の力を結集して9年がかりで開発した、“メイドイン高知”のシート。
通常時は前後に並んでいますが、「フルフラット」にすると、“上下2段”になります。
座席は24席あり、長さは1m80cm、幅は48cm、空間の高さは50cmほどです。
▼京面龍太郎
「私が身長175cmですが、私の体型でもしっかりと足を伸ばして寝ることができます。夜行バスでこれは嬉しいです」
東南アジアの寝台バスより貧相な日本の寝台バス??
国交省は法規を見直すべき?? https://t.co/pDPjFDNxs3 pic.twitter.com/lVz1Zq1LyL— ねまき(現在いる場所は秘密にしているので、目撃した方はご協力ください。) (@kobujimekinako) January 30, 2025
国交省もガイドライン策定…安全設備も基準クリア
この「フルフラットシート」について国土交通省は去年11月、ガイドラインを公表し、安全基準が定められました。
このシートは、「座席を前向きに設置」し「転落を防ぐプレート」や「衝撃を吸収する素材」「2点式のベルト」など、基準に沿った安全設備が施されています。
高速バス業界の“長年の夢”だったという高知生まれの「フルフラットシート」。
すでに特許を取得していて全国のバス会社などに販売していく方針です。
いやもう声が出無い。これから日本に導入されるフルフラットの寝台バスと(最初の2枚)、既に運用されているヴェトナムやインドの寝台バス。
まあ、見比べてください。どっちに乗りたいですか? pic.twitter.com/9QmASrdH9A— ??????? ?????????????? (@ubieman) January 30, 2025
「安いけどキツイ」イメージ払しょくへ
▼高知駅前観光 梅原章利社長
「高速バスは『安いけどきつい』イメージがこびりついています。このシートを全国に展開することによって、『高速バス、選択肢として良いんじゃないの?』と思ってくれる人が全国に増えていくこと、それによってバス業界全体が盛り上がっていくこと、そして移動する方々に“快適な移動”を提供できること、そういったことが達成できればと思っています」
シートを搭載したバスは、3月4日から、高知と東京を結ぶ路線でモニター運行を始め、寄せられた意見をもとに改善して、2025年秋ごろの通常運行開始を目指すとしています。
梅原社長によると、夜行高速バスの利用者数は右肩下がりでしたが、近年の「推し活ブーム」や「ホテル代高騰」で、ユーザーには「自分の好きなものに最大限の金額・時間を使う」傾向がみられていて、このシートを搭載したバスが「これまで夜行バスを使わなかった新たなユーザー層の獲得につながれば」ということです。
また、災害時にも、被災者が寝る場所として活用できそうです。
3月4日から始まるモニター運行については、2月7日から、高知駅前観光のホームページや予約サイト「発車オーライネット」で予約販売することになっていて、モニター運行の料金は当面、7300円。
通常運行が始まれば1万4000円で販売する予定です。
高知駅前観光バス、国内初”ぐっすり眠れる”寝台バス開発
開発に9年、高知?東京間片道7300円予定
……旅好きは知っている
中国やベトナム、東南アジアなどではそれが標準であり日本が遅れているということを…でもシートベルト、ヘッドガード、転落防止プレートってところがジャパンクオリティ pic.twitter.com/IgwBTQWjWB
— 旅の杜 TABINOMORI (@riverwill_kay) January 30, 2025
ネットの声
「安いから多少窮屈でもバスで行くのにバスに14,000円は高すぎでは?
それなら、高知から松山か高松までJRかバスで行って、ジェットスターの飛行機で東京方面に行った方が安い気がする。」「こういう夜行バス待ってましたね。あくまでも運賃+宿泊費として考えれば高くはない。朝早く行動できるのがプラス。そう考えられない人にとってはマイナス。ただ、1回なら乗りたいけど、複数回はどうだろう……」
「夜行バスってコスパもタイパもいいんだけど使ったら腰がバキバキになるのがネックなんだよね。
フルフラットは面白そうなんで一度乗ってみたいな。」「頭上(後ろの席)の乗客がめちゃくちゃ足が臭い人だと拷問でしかない…」