8トラ・MD・DATって若者には意味不明! 昭和オヤジがドライブのお供にした「なつかしカーオーディオ」の歴史
目次
どんな音楽を用意できたかでデートの成否が決まった
ドライブと音楽は切っても切れない関係にあって、車内を楽しく盛り上げたり、雰囲気を作ってくれたりと、さまざまな効果があります。
最新の方式としては、コネクトを利用したダウンロードや通信による再生に加えて、ブルートゥースによるスマホとの連動でしょう。
どの形態もデジタル化された音楽データを外部から得て楽しむというのが特徴です。
逆に歴史をさかのぼってみると、その歴史は紆余曲折と言っていいものがあるのです。
ここでは形式ごとにその内容を見ていきます。
8トラ
8トラとは8トラックのことで、ステレオ(2トラック)が4つ、合計8つあったのでこの名称があります。
カセットテープの先祖みたいなものですが、問題は大きいこと。
さらには録音ができなくて、予め入れられている音楽を楽しむのみというのもハンデでした。
自動車用は1967年に富士通テンがデッキを市販化したのですが、作品が少なくて、合わせていまでいうところのソフトも作っていたのです。
1970年代に入るとコンパクトカセットテープが登場して一気に置き換わってしまいました。
ただ、バスの路線案内や観光バスのカラオケなどでは比較的後のほうまで使用されていました
カセット
最近でもリバイバルブームがやってきて完全になくなったわけではありませんが、基本的に自動車用として国内では消滅してしまいました。
1970年代から1990年代まで長らく普及していて、LPレコードと同じ内容のカセットが売られていました。
レコードやCDから録音して編集することで自分好みの1本を作ったり、さらにはFMの番組を録音するエアチェックも流行りました。
ちなみに当時のFMはエアチェックのために曲を最後までかけていましたね。
CDの登場でドライブミュージックシーンが大きく変わった
CDは再生できるデッキがいまでも残っていなくはないのですが、いずれにしても当時は当たり前の存在でした。
1980年代後半になるとハイエンド機を中心にCDが再生できるデッキが登場しています。
さらに1990年代になると、8連装や10連装などが登場して、入れ替えなくても次から次へとCDを再生することが可能になったのです。
CDは専用のカセットに10枚なら10枚を入れて、シートの下やトランクに設置したプレーヤーにセットして楽しんでいました。
MD
カセットテープやCDの発展型とも言えるのがMDです。
MDとはミニディスクの略。
カセット状でデジタルで記録・再生が可能なのが特徴で、MDウォークマンも作っていたソニーが特に力を入れていました。
ちなみにCD同様に多連装のMDプレーヤーもありました。
DAT
簡単に言ってしまうと、デジタルのカセットテープ。
サイズはカセットの3分の2ほどで、一般的には放送局などで使用されることが多かったようです。
1987年に登場し、ソニーからはDATウォークマンも出していました。
自動車用もセルシオに用意(オプション)されてはいましたが、当時からマイナーな存在でした。
プロの使用が多く、コンパクトでデジタル録音もできたことから、最近まで作られていました。
似たようなコンパクトなデジタルカセットテープとしてDCC (デジタル・コンパクト・カセット)が1992年に登場。
こちらも数は少ないが自動車用のデッキが発売されていました。
ネットの声
「画期的だったのはMDの発売、カセットの時に苦しんだ、曲時間の足し算など関係なく、聞きたい曲をCDから楽に録音、更にカセットのように、聞き曲を早送りする事なく、好きな曲を一瞬で聞くことが出来た。今じゃ当たり前だけど、カセットからの進歩は感動したなぁ。」
「DATは「20世紀最高の録音機」と言われていて性能は凄かったが、あまりに凄すぎて著作権の問題で話がつかず市場への投入が遅れた。一般のユーザーの間では普及しなかったが、プロのミュージシャンの間では高い評価を受けて愛用された。」
「私がMDを使っていた頃は録音(ダビング)が等速だった。それでもカセットテープよりも使い勝手が良かったので愛用していた。今は皆には遅れているが、USBメモリに落としてカーオーディオで聴いている。別の15年落ちの車にはMD、CDプレーヤ付きなので今でもMDを聴くことができる。ダビング用で使っていたポータブルMD機、まだ動作するのかなぁ。」