
2019年8月にAIG全英女子オープンを制し、しぶこフィーバーを巻き起こした渋野日向子(21=RSK山陽放送)が、TBS系ドキュメンタリー番組「情熱大陸」(8日午後11時)に登場しました。
そして、平均視聴率が6・9%(関東地区)だったことが9日ビデオリサーチの調べで分かったのです。
全英優勝で一変
全英女子優勝で、一夜にして激変した渋野の人生。
「スマイル・シンデレラ」とのニックネームも生まれました。
帰国後は、彼女が出場すれば多くのギャラリーが集まり追いかけたのです。
小学2年でゴルフを、同時にソフトボールも始めていた渋野日向子。
作陽高校2年の時、団体で高校日本一に輝きました。
高校卒業後の17年にプロテストを受験したが不合格。
その後、青木翔コーチに出会い、翌18年のプロテストで合格したのです。
今年、全英を制し、フィーバーに包まれる中でも、デサントレディース東海クラシックは8打差を逆転して劇的な逆転V。
勢いはとどまらず、鈴木愛らとの賞金女王争いも、今季女子ツアー最終戦リコー杯までもつれ込み女子ゴルフの人気をけん引しました。
情熱大陸に出演
番組では、活躍の裏で、プレッシャーと闘う渋野の内面にも迫っています。
渋野は
「全英オープン以来、パターで手が震えるようになった」
と明かしたのです。笑顔が少なくなったか?と聞かれれば
「私も人間だから毎日毎日ずっと笑っていられるわけじゃないです」
と明かしました。
🔴開始 情熱大陸
HBC(#TBS) [23:0~23:30] 30分
プロゴルファー/渋野日向子▽全英女子オープン初出場で優勝❗帰国後は日本中で「しぶこフィーバー」が“強さの秘密”と“素顔”密着カメラだけが見た笑顔も苦悩もすべて…pic.twitter.com/qPt6vO6Qlj— TVRecorder 地デジ(札幌)/BS/CS (@TVRecorder_) December 8, 2019
渋野の苦悩とともに、青木コーチの証言も紹介。
同コーチは、彼女の強さについて「素直さ」と「継続力」だと発言しています。
プロテストに合格前から続けるパッティング練習は、どれだけ時間が遅くなっても、欠かさず、やり遂げてコースを後にします。
渋野自身は、これの理由を「不安だから」とも話しているのです。
急成長できた理由
旋風を起こした1年が終わろうとしています。
鈴木愛に約757万円差の1億5261万円の2位で賞金女王こそ逃しましたが、1年前は無名で獲得賞金はゼロ円。
ドラマのようなシンデレラ物語を支えたのは青木翔コーチ(36)です。
AIG全英女子オープンではキャディーとしてともに戦い、日本人として42年ぶり2人目のメジャー制覇という快挙に導きました。
今季躍進の裏には、二人三脚の血のにじむような努力と、青木コーチの指導哲学があったのです。
逆転賞金女王こそ逃したものの、ホールアウトした渋野の表情には笑顔が広がりました。
1年前は賞金女王など夢のかなた。
まさにシンデレラのように駆け上がった1年でした。
躍進を支えたのが青木コーチの存在です。
2人の出会いは2年前。
渋野は最初のプロテストで落ち、国内ツアー出場をかけた最終予選会を控えていました。
関係者から「何とかしてやってくれ」と託されたことが始まりだったのです。
「才能だけでやってて、うちに来たときはボロボロ。球を打っても当たらない状態だった」
と青木コーチ。
昨日の情熱大陸は渋野選手👀
どんな人にも不遇の時代、結果を出せない時期があって、
それを乗り越えての今があるんだなと勉強になりました🙌
ありのままの自分になれるって難しいんやけどな🤔💦
これからも渋野選手から目が離せない👀✨ pic.twitter.com/otp7U9SpUN
— 下田隆(手相の人) (@mcw85KDg4X7cz3r) December 8, 2019
そこから二人三脚の戦いは始まりました。
オフの合宿ではサンドウエッジだけで1日600~700球。
10ヤードから5ヤードごとに50ヤードまでコーンを立て、それに全部球を当てるドリルを日暮れまで繰り返したのです。
その後はパター。
ウエッジの溝はすり減り、この1年だけでウエッジを7本替えたそうです。
「血のにじむような練習」(青木コーチ)
で、スイングの基礎をたたき込みました。
「半分ぐらい予選落ちして、何とかシード権を取れれば」
と臨んだプロ1年目で
「とんでもないことをやらかしてしまった」
と笑います。
それでも、全英から帰ってきてもゴルフ場の練習でやることは同じ。
青木コーチの課題のドリルを、日が暮れてもできるまで繰り返す渋野の姿がありました。
その中で
「彼女が自分のゴルフを見つけたのが大きい」
と成長を喜んだのです。
クラブのセッティングや選択はすべて青木コーチ任せで気にしない。
ボールを打つ前までキャディーとおしゃべりしていても、打つ直前から本気モードに切り替わる。
そんな渋野の素質と、基礎練習の継続が飛躍の要因となったのは間違いありません。
「自分の経験や失敗談を話しても、渋野の世代には理解できない」
多くを詰め込むような指導者も多いのですが、先回りして答えを教えず考えさせる。
09年にコーチを始め、育てたプロは5人。
シーズン終盤、渋野に対し、将来的な目標として「5大メジャー制覇」と伝えています。
「選手を成長させるには、コーチも成長しないと」
と渋野と同じように青木コーチも成長を続けているのです。
ネットの反応
「今年一年は本当に良く頑張ったと思います。あれだけ注目されても成績は安定していました。最高のルーキーイヤーだろう。
まだまだこれからの選手です。ファンもマスコミの方々も長い目で見てあげて頂きたい。」「激動の1年。相当なメンタルの強さがないと耐えられなかったでしょう。でも試合以外のときは、普通の21歳の女の子の一面も見られて可愛かったですね。」
「昨年プロテスト受かってのルーキーイヤー。自身でも想像以上の今の状況に戸惑う事も多かったと思います。まだまだルーキー、彼女らしくその個性を失う事なく来期も頑張って欲しいですね。」
いっぽうで、渋野日向子をリスペクトしていないという声もありました。情熱大陸のあり方も問われていましたよ。