『Sinners』トム・クルーズが絶賛…日本公開が待ち遠しい米国ホラー映画!

北米で異例の大ヒット中!

トム・クルーズも「絶対に映画館で」と呼びかけるホラー映画『Sinners』とは?

トム・クルーズが自身の最新作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』のプロモーションの合間を縫って劇場鑑賞。

SNSで「絶対に映画館で、エンドクレジットまで見届けてください」と全世界に向けて発信した一本のホラー映画がある。

それはいま、北米で“現象”ともいえる注目を集めている『Sinners』。

コロナ禍以降の動画配信サービスの台頭によって苦境が続く北米映画興行に射し込んだ“希望の光”ともいえる本作は、いったいどんな映画なのだろうか。

北米2週連続V!ライアン・クーグラーが放つオリジナルの“ヴァンパイア・ホラー”

『フルートベール駅で』(13)、『クリード チャンプを継ぐ男』(15)、

そしてマーベル・シネマティック・ユニバースの「ブラックパンサー」シリーズと、

これまで手掛けてきた長編作品すべてが批評・興行面でいずれも成功を収めてきたライアン・クーグラー監督が、

その4作すべてでタッグを組んできた盟友マイケル・B・ジョーダンを主演に迎えた本作。

クーグラー監督にとっては12年ぶりのノンフランチャイズのオリジナル作品であり、

ジョーダンはキャリア初の一人二役に挑んでいる。

物語の舞台は1930年代のアメリカ南部、ミシシッピ州クラークスデール。

第一次大戦から帰還した後、シカゴを拠点にしたマフィア組織シカゴ・アウトフィットで働いていた一卵性双生児のスモークとスタック(どちらもジョーダンが演じている)は、

大金と酒を組織から盗み、故郷であるクラークスデールに戻ってくる。

そこで彼らは、“ジューク・ジョイント”と呼ばれる黒人コミュニティ向けの酒場を開業。

そのオープンの夜、双子の従弟であるサミー(マイルズ・ケイトン)の演奏に導かれるようにして、

アイルランド移民の吸血鬼レミック(ジャック・オコネル)が店に現れる。

彼らは次々と店の客を襲っていき、スタックの元恋人で店で働いていたメアリー(ヘイリー・スタインフェルド)も噛みつかれ、吸血鬼として蘇生。そしてメアリーはスタックに襲いかかり…。

4月18日に北米3308館で公開されると、初日から3日間で興収4800万ドルを記録。

世界中で大ヒットを記録している『マインクラフト/ザ・ムービー』(公開中)を抜き去り、

週末興収ランキングで初登場No. 1スタートを飾ると、公開2週目には上映館を39館増加。

週末3日間で興収4570万ドルと、オープニング週末と比較して95.2%という好成績を収め、見事に2週連続Vを勝ち取った。

すでに北米累計興収は1億2800万ドルを突破しており、全世界興収も1億7000万ドル目前。

もっとも、制作費9000万ドル・全世界マーケティング費6000万ドルと推定されるホラー映画としては異例のビッグバジェットで製作されたため、

まだ損益分岐点には到達していない。しかしながら、驚くべき評価の高さでさらなる興収の伸びが予測されている。

賞レース参戦も待ったなし!ホラー映画としては前代未聞の高評価

批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からの好意的評価の割合は98%、

観客からのそれは97%と今年公開されたメジャースタジオの大作映画としてはトップクラスの高評価を獲得。

もちろんホラー映画でここまで高評価を得るというのは異例中の異例だ。

さらに出口調査「CinemaScore」では、ホラー映画としては過去35年間で初めてとなる「A」評価が出されており、

配給元のワーナー・ブラザースの広報も「利益を産むと同時に、今年最も批評家から高い評価を受ける作品の一つになる見込み」と自身のコメントを出しているほど。

あまりの反響の大きさから、来年のアカデミー賞レース参戦はほぼ確実とも言われている。

出口調査によると、観客の64%が35歳以下であり、全体の半数近い46%が25歳から34歳の観客が占めている。

MPAのレイティングでは「R」(17歳以下は保護者の同伴が必要)となっているため、

18歳未満の観客は2%に留まっているとのことだが、その年代からの評価が際立って高いとのこと。

また、客層の人種分布は黒人が40%、白人が35%、ヒスパニックが18%、アジア系が5%と多様。

黒人文化に根差した作品ではあるがあらゆる人種の客層が足を運び、かつ口コミ力のある若い世代が劇場で熱狂している。

これが興行に色濃く反映されていると推察できる。

現時点で日本公開は未定だが…

上映館のうちおよそ10%強がIMAXで、興収全体の約20%をIMAXが占めているという。

本作は、クリストファー・ノーラン監督ら映像への強いこだわりをもつ映画作家が好んで採用していることでも知られるIMAXフィルムカメラと、

1950年代前後のハリウッド超大作に用いられ、クエンティン・タランティーノ監督が『ヘイトフル・エイト』(15)で約半世紀ぶりに復活させたことでも知られるウルトラパナビジョン70を併用した世界初の作品でもある。

そのため一般的なシアターでの上映では、よく見かけるシネスコ(アスペクト比2.39:1)よりもかなり横長の2.76:1の画面で上映され、

IMAXデジタルシアターでは一部シーンが1.90:1に、IMAXのフルサイズが上映できるシアターでは一部シーンが1.43:1での上映となる。

クーグラー監督が意図したスケール感たっぷりの映像表現を味わえると同時に、

フィルム撮影によって実現した黒レベルの高さがホラー映画としての旨みを増幅させる。

まさに現時点での映画表現の最高到達点を目撃できる作品となっており、冒頭で述べたようにトム・クルーズが劇場鑑賞を呼びかけるのも充分に納得できよう。

現時点ではまだ日本での劇場公開が決定していない『Sinners』。

すでに本作の情報を得ている映画ファンの多くは「劇場で観たい」とうずうずしていることだろう。

北米での快進撃を見守りながら、続報を楽しみに待とう。

ネットの声

「「羊たちの沈黙」だって2月に公開され、1年温めてオスカーを受賞しました。今作だって受賞はともかく作品賞にノミネートされる可能性は大だと思います。日本公開決定も含めしばらくはワクワクさせてくれそうですね。」

「タイトルを直訳すると「罪人たち」になりますがどういう意味なのでしょうね?気になります。」

「うずうずしてるので、早く日本での公開を決めて下さい。」

おすすめの記事