
効率的にみえるけどナゼやらない? 「ガソリンスタンド」にEV用の急速充電器を併設しないワケとは
電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のための充電器が、ガソリンスタンドに併設されない理由は明快です。
理由は二つ。
一つは、給油と違って充電には時間がかかること。
二つ目は、電気料金を徴収しても儲けにつながらないからです。
充電と給油にかかる時間の差が大きいため相性が悪い
給油は5分ほどで終わるといわれていますが、充電は、急速充電でも30分はかかります。
それだけクルマを止めておくなら、ほかに何もすることのないガソリンスタンドにいる必要はありません。
コンビニエンスストアやファミリーレストラン、あるいはスーパーマーケットなど、
買い物や食事などのついでに充電すればよく、充電のために立ち寄ったり出かけたりするのは不合理なのです。
したがって、充電の基本は自宅での普通充電だといわれるのです。
家には少なくとも食事や睡眠などで数時間はいることになります。
その間に充電すれば、充電のためにわざわざ時間を割く必要はありません。
そもそも、給油がわずか5分程度で終わるとしても、給油のためにわざわざガソリンスタンドに立ち寄ることをこれまでしてきました。
会社や自宅に戻ってから燃料が少ないことに気づき、改めてガソリンスタンドへ出向くようなこともしてきたのです。
しかしEVになれば、充電のために時間を費やす必要がなくなることが最大の利点と言えるでしょう。
長距離移動のときのSA・PAの充電時間は苦にならない
休憩中の充電は効率が良いといえます。
ただし、長距離移動する場合は、途中で急速充電をしなければいけない場面が出てきます。
その点で、給油より時間がかかるのは事実です。
しかし、実際に試してみると、トイレで用を足し、地元の特産品など土産を探すなどしていると、30分はたちまち過ぎるでしょう。
うっかりすると30分を超えてしまうことさえあるのです。
また長距離移動では、途中で適切な休憩をとることが安全運転のうえでも推奨されています。
休憩の間に充電すれば済みます。
逆に給油の場合は、サービスエリアなどで休憩したあとに給油所に立ち寄らなければ燃料を入れられません。
その分、余計な時間がとられるのです。
結論として、ガソリンスタンドと充電は、必ずしも相性がよくないのです。
料金を考えてみると
次に電気料金は、1kWhあたり30円前後となります。
たとえば日産リーフの標準車40kWhのリチウムイオンバッテリーに充電した場合、単純計算で1200円にしかなりません。
ガソリン代は、レギュラー1リッター当たり約126.9円(11月4日現在)で、
揮発油税分の48.6円を差し引いた額で30リッタータンクに満タンにしたと計算すると、約2349円になります。
ざっくりとした計算ですが、電気代はガソリン代の2分の1ほどにしかかからないのです。
これでは商売にならないでしょう。
EVやPHEVが普及し、日常的に電気で走るクルマが増えるということは、単に環境車が普及するだけではないのです。
世の中の仕組みが変わることを示しているといっていいでしょう。
いつまでもエンジン車の感覚で社会を見ていると、将来を見誤ってしまう恐れがあります。
ネットの声
「静電気でも引火するような物を扱ってるのに安全に考慮しているとはいえ充電用電気設備設置とは危険極まりない。
工場などでも商用電気設備のそばに可燃物を置かないのが常識です。
充電に時間がかかるとかそれ以前の問題です。」「わかりきった事をさも発見したかのように書くとはね(笑)ガソリンと電気の粗利益の差と税抜き価格を混同している?またEV投資に触れていないでしょ。既存スタンドにスペース有る?EV車は燃料車と別な場所で給電しないと仮にスタンド内に混雑時は更にゴチャゴチャになるでしょうが。」
「なんでガソリンスタンドに急速充電器を置かないのだろうか、と言う疑問から書かれた記事だと思うが、そもそもその疑問を持っている人がどれだけいるだろうか。
むしろ、なんで高速のパーキングなどに充電器が1台しかないんだろうか、を取材してほしい。」
電気とガソリンというのは、火と油の関係に近いですから共存はできないでしょう。