
高梨沙羅の顔に残酷なネットバッシングが起きています。
女性アスリートに求められるのは結果よりも『純朴さ』なのでしょうか。
好調さをアピールするもののバッシングが!
スキージャンプの高梨沙羅選手が10月26日、札幌市で行われた「ノルディックスキー・ジャンプ全日本選手権」で優勝しました。
昨シーズンは成績不振に苦しんだ高梨選手。
今大会ではK点(90メートル)超えの大ジャンプを見せ、見事大会3連覇を果たしたのです。
しかし、好調をアピールするものの、成績とは関係のないところでバッシングが起きました。
高梨選手の優勝を伝える記事がYahoo!ニュースに配信されると、ヤフコメには、成績についてではなく以下のような、酷いコメントが相次いだのです。
「アスリートの爽やかさがみじんもないね…」
「もはやアスリートの姿形じゃないよ」
「可愛い高梨沙羅のイメージしかないのだが、なんだか別人みたい」
「今の高梨沙羅は、私が好きだった沙羅ちゃんじゃない」
「好感が持てなくなった人も結構いるのでは?」
記事に匿名でコメントをつけるヤフコメ。
著名人に対する誹謗中傷まがいのコメントで溢れることは日常茶飯事です。
また、掲示板「ガールズちゃんねる」にもスレッドが立っていました
ここでも「整形しすぎ」など顔姿にまつわるコメントが続出しているのです。
目頭切開、全切開(or埋没)、プロテーゼ、鼻中隔延長と涙袋にヒアルロン酸は絶対してるな。お化粧も凄く上手だし、自己プロデュース力とっても高いと思います、素敵!しかし整形前も可愛すぎんか…#高梨沙羅 pic.twitter.com/0XtlfX4FYu
— カワウソ (@kwus_pprn) October 29, 2019
高梨に対するネットバッシングの勢いは異常といえるレベルに達しています。
これはいったいどうしてでしょうか。
メイクを覚えてからそれは始まった
弱冠15歳で日本女子として初のW杯優勝を果たした高梨沙羅選手。
当時からメディアは“天才少女”と大々的に取り上げました。
しかし、20歳前後からメイクを覚えてあか抜けると、にわかにバッシングが始まったのです。
巷では整形疑惑まで出ている始末です。
昨年、「週刊新潮」(新潮社)が、愛車が約2,000万円のベンツであることを伝えました。
すると、
「調子に乗っている」
「身の丈に合ってない」
「遊んでいないで練習しろ」
といった反感の声が続出したのです。
さらに昨年放送の『おしゃれイズム』(日本テレビ系)に出演しています。
好きな異性のタイプについて「身長が高めの人。173cm以上」と答えると、そこでもさらに「調子に乗ってる」「浮ついてる」などの批判が相次ぎました。
こうした批判は本人も認識していて、
テレビ番組やインタビューで、メイクをする理由についてこう語っています。
「20歳前後になって、いろんな方から、身の回りのことだったり、行動や言動に気をつけなきゃいけないと言われて。そこから自分なりに気にし始めて、化粧もするようになった」
「化粧をすることで、スイッチが入る」
アスリートであろうとなかろうと、ひとりの女性が中学生から社会人の年齢になるまでの過程でメイクを覚えたり、身だしなみに気をつけたりすることは普通のことです。
何か特別な理由を求められるというのも変な話。
多くの人が、15歳の少女から大人の女性に変貌する一人の女性をみてきました。
そこには羨望の眼差しがあるとみていいでしょう。
高梨沙羅選手、綺麗になりすぎ問題 pic.twitter.com/E9U0xCFm1M
— 滝沢ガレソ (@takigare) October 29, 2019
その羨望が、一時的に調子を落としたときに、「化粧にうつつを抜かしているからだ…」という批判になってしまったのです。
いまや、一挙手一投足をネット民によってマークされている状況の高梨沙羅選手。
プライベートでどんな車に乗ろうと、どんな異性がタイプであろうと自由で、誰に文句を言われる筋合いもないはずです。
競技以外でバッシングを受ける女性アスリート
高梨沙羅への理不尽なネットバッシングをみると、女性アスリートが競技の結果だけではなく、外面的な要素まで評価されていることがわかります。
場合によっては叩かれる標的にさえなってしまうのです。
これが“当たり前”の状況になっているのが怖いところですね。
女性アスリートはなぜか、“純朴なイメージ”を求められるのです。
昨年3月、卓球の石川佳純はワールドツアープラチナのシングルスで初優勝を果たしました。
その際にネットニュースサイト「アサ芸プラス」は、以下のような記事を配信しています。
<卓球・石川佳純がキレイになるも“高梨沙羅化”をファンが望まぬ理由>
<素朴な純情少女といった顔立ちが魅力の石川>
<石川がキレイになればなるほど、ファンは憂鬱になってくる>
このような支離滅裂な論調を展開していたのです。
2017年に引退した元フィギュアスケートの浅田真央さんは、昨年4月にハイファッション誌「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)の表紙を姉の浅田舞さんとともに飾りました。
モードなメイクや胸元が大きく開いた漆黒のドレス姿に、ネットは騒然となったのです。
「こんなの真央ちゃんじゃない!」
「素朴な真央ちゃんが好きだったのに」
といった嘆きや批判が沸いていました。
浅田真央さんは15歳で世界一に輝き、国民的人気を得てきたアスリートでした。
現役を引退してもなお「純朴な真央ちゃん」のイメージに縛られているのですね。
結果がすべての女性アスリート。
結果が出なければバッシングも受けるでしょう。
ラグビーW杯では、日本代表の結果だけではなく、それまでの過程についても多くの評価が生まれました。
今こそ、彼女たちの努力や功績を素直に讃えることこそ大事なのではないでしょうか。
ネットの反応
「ついに整形?まるで別人、名前を言われなかったら分からない。ハッキリ言って、このメイク、似合っていないと思う。」
「イメージ戦略の失敗例、すごく残念。派手なメイク、愛車のベンツ。本人が好きでやってることだから悪いわけではない。が、好かれないと思う。」
「こういう筋違いで低俗な批判は『うっせえボケ黙って自分の人生に集中しとけ』って思っときゃいいし、こんなん見てストレス溜めるのもアホらしいので1ミリも気にせず好きにやったらいい。説明義務などない。ガン無視でOK」
高梨沙羅ちゃん整形してめっちゃ可愛くなっとる。整形批判してる人ってどういう気持ちなんだ…。整形ってお金もいるし痛いやろうし、大変な思いして綺麗になってるのにわざわざ見えるとこで批判する人ありえん。見た目が変わることで自信ついて人生楽しくなるなら絶対そっちがいいじゃん。はあ、可愛い pic.twitter.com/OM43AHGPwy
— YK (@___andme) October 28, 2019
有名人であればある程度の年収を得ているはず。
そのため、ベンツを乗るのは税金対策の面も…。
お金持ちが高いお金を払って良い物買うのは当然のこと。そうしないと経済回らないしね。
なので、ベンツは趣味と実益を兼ねているといって間違いないでしょう。だから批判も筋違い。
化粧は多少濃いですが、それがスタンダードになる過渡期であってほしいですね。