定型文の電報が23年1月廃止へ

「危篤、至急連絡されたし」 定型文の電報、23年1月廃止へ

NTT東日本と西日本は3月18日、「危篤、至急連絡されたし」など緊急連絡に利用されてきた定型文の電報(定文電報)を2023年1月をめどに廃止する方針を明らかにしました。

インターネットや通信手段が発達し、緊急時の連絡手段として役割を終えたと判断したのです。

総務省に廃止を申請

定文電報は死亡や危篤、事故、災害、重要連絡などの内容に限り、53種類の定型文と20字以内の文章を組み合わせて1通374円で送れます。

両社が18日、総務省に廃止を申請し、認可され次第、正式決定します。

日本の電報事業は1869年に始まり、郵便より早く伝達できる手段として広く利用されてきました。

固定電話が各家庭に広く普及してからは、冠婚葬祭などに思いを伝える方法として定着。

定文電報は緊急連絡に限定して低料金で送る制度として1980年に始まりました。

利用減少を受けて

その後、相手に直接連絡できる携帯電話が普及すると、定文電報の利用は減少。

2000年に2・6万通だった利用数は、20年には110通まで落ち込んだのです。

受付時間の変更も

両社は慶弔など一般の電報サービスの料金体系と、当日配達の受付時間に関する変更も申請しました。

漢字電報は基本料金(484円)を23年1月から1320円に変更するのですが、文字数に応じた加算額を抑えるため平均的な利用者の約8割は安くなるそう。

現在は午後7時まで受け付けている当日の配達は、22年10月から午後2時までに繰り上げます。

ネットの声

「確かに通信機能の進歩で、こうした使い方をする人は激減したのだろうね。一方で、弔電のように電話などでは相手も忙しかろうし、かと言えメールなどではこちらの気持ちも憚られるしラインなどでは更に無礼ではなかろうかと心配になる物事もあるわけだから使い分けには気を配る。そこはやはり人間の感性と文化の継承も求められる点だろうと思う。製品としての機能を停止することは時代の流れだろうけれど、ポケベルや公衆電話、ダイヤルのついた黒電話みたいな手段と道具を歴史から消さぬ文化継承を残すことには意味を感じる。教科書でもいいから。」

「高齢の母の固定電話にかけても、夜から朝まで通話中のまま繋がらなかった時。携帯も、母はいつもどこかにしまい込んでいて、鳴っても気だ付かないことばかり。私も兄も遠方の県に住んでいて、すぐに駆けつけることはできない。母は前日は元気に会話したし、持病も無いので、「受話器が外れているのかも」と兄と私は話していたが、その確証は無く、不安は拭えない。どうにか連絡が取れないかと頭を悩まし、「そうだ。電報を打ってみよう」とひらめいた。電報なら受取人に直接渡してくれるはず。「至急連絡寄こせ」と電報を打った。驚くほど早く、母から電話がきた。受話器が外れていただけだった。電報というものの存在に、あんなに感謝したことはなかった。」

「年間で110通の利用しかないサービスを東西のNTTが未だに維持していることが驚き。やめたくてもやめられなかったのだろうが既得権益の負の側面を表していると思う。グローバルスタンダードや公平平等なサービスの提供も大事だが見直すべきものは見直していかないと日本はガラパゴス化してしまう。」



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