
一般道における法定速度の上限が一般的に60km/hで、遅くも速くもない数値となっているのに、何故一般道でバイクの転倒事故(自損事故)は発生するのでしょうか。
モータースポーツのように競争をしているわけではありませんし、速度域だってそれと比較すれば圧倒的に低いです。
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法定速度60km/hの道路でもバイクはコケる
海外と比べて日本の道路は綺麗に整備されてなだらかで、落下物や岩、ゴミなどが落ちていない限り路面の凹凸でマシンが跳ねるというのも考えにくいでしょう。
つまり乗り手の問題になるわけですが、技術云々ではなく転倒するロジックを知ることで解決可能です。
いろいろありすぎる転倒の原因
転倒しない運転を心がける前に、何故バイクが転倒するのかを知る必要があります。
突き詰めるとバイクを運転するライダーの力不足ですが、細かく見ていくと転倒の種類ごとに理由は異なりますし、0km/hでも倒れる人もいます。
タイヤのグリップ力限界を超えた
タイヤのグリップが限界を超えることでフロントあるいはリアタイヤがスライドして転倒する、これがバイクでコケる基本的な原因になります。
いわゆるオーバースピードですね。
旋回中にフロントブレーキをかければフロントが流れますし、同じく旋回時に何も考えずスロットルを開ければ急激にリアタイヤのグリップが失われます。
リアタイヤが流れた時にスロットルを戻せばグリップは回復しますが、急激にグリップが戻るのもそれはそれで危なく、
ハイサイドとなってライダーを投げ飛ばすということもしばしば。
路面状況でタイヤのグリップ力が低下していた
路面状況も転倒の大きな要因となります。雨天時はタイヤのグリップ性能は下がりますし、凍結した路面の上を走ればほぼ間違いなくタイヤは流れます。
コーナーを抜けた先に落下物が落ちていて避けようとして転倒する可能性もあります。
立ちコケ
停車中に足でバイクを支えられずコケてしまうライダーもいます。
このような転倒は『立ちゴケ』と呼ばれ、エンストした際やバイクから降りるときにスタンドが適切に立っていないことで発生するものです。
重たいバイクに乗る人や足で支える力の弱い人、停車中に足が地面に届きにくい人なども要注意です。
転けないための対策方法
転けないための対策方法は至ってシンプルで、上述した原因を発生させなければよいのです。
ザックリとすればタイヤのコンディションに合わせた走りをすること。つまり、
- タイヤが温まるまでは急加速しない
- 溝が少ないタイヤや古くなったタイヤは新しいものへ交換する
- 十分に減速してから旋回する
- 旋回中にフロントブレーキをかけない
- 加速する時にはスロットルを丁寧に少しずつ開ける
- 気持ちよくワインディングしたい時には、その日の道路状況を下見してから走る
- 天気の悪い日にバイクに乗らない or 乗る際にはいつもより気をつけて走る
- 乗り降りの際にはスタンドを確実に使う
- もしも運転を常に心懸ける
などを意識することになります。
タイヤ交換を除けば、どれもすぐにお金をかけることなく始められることばかりです。
特にもしも運転は大切で、サーキットや占有道路でなければ、コーナーを抜けた先にクルマや人・動物がいたみたいなケースは十分考えられます。
万事に備えるという感じです。
安全運転で充実した趣味の時間を
バイクは運転して楽しい乗り物であると同時に、転倒リスクや怪我に遭う可能性がクルマよりも高い乗り物となっています。
このリスクを知った上で、何故バイクは転倒するのか、そしてどうすればそうならないのかを理論的かつ実践的に学び、
安全で充実した趣味の時間を過ごして人生を豊かにしましょう。