
近年児童虐待が増加し、社会問題化しています。虐待死も多く、中でも分娩時に我が子を殺める事例が最多となっています。特定妊婦は、分娩前から虐待などの可能性のある妊婦のことで、ここでしっかりと取り上げてみます。
特定妊婦…望まない妊娠をしている妊婦と定義されているけども…
児童福祉法の条文では以下のとおり、特定妊婦を定義しています。
「出産後の養育について出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦」
妊娠中に家庭環境にリスクを抱えている妊婦、複雑な家庭内事情を持っている場合、出産後に育児が困難と予想される妊婦と定義されることも多くなっています。
妊婦自身にも問題があって、本人が望まない妊娠と思っていることです。そうなると、出産しても子どもに愛情を持つことができずに、虐待してしまう。あげくに虐待死させてしまうことも少なくありません。
【妊娠で困窮 19歳風俗嬢のSOS】https://t.co/kojJKLOwrD
赤ちゃんの特別養子縁組をあっせんする民間NPOには毎日のように、予期せぬ妊娠をした女性たちからのSOSが届く。妊娠をきっかけに困窮するケースも。特定妊婦を支える女性の思いは。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2019年2月1日
望まない妊娠をしても、妊娠中から母性に目覚め、出産後もしっかりと育児をする女性ももちろん少なくありません。それでも、様々な事情を鑑みて出産後にリスクを抱えていると判断すれば、特定妊婦となるのです。
このようなことですから、特定妊婦の場合、「男性から強姦されて妊娠した」「避妊に失敗した」といった例が一般的といっていいでしょう。
いずれにしても精神的なケアが必要であり、本人自身も精神的なリスクを負っているのです。
特定妊婦の認定条件を以下にまとめると
・若すぎる
・経済的理由
・望まない妊娠
・母子手帳の発行がない
・精神疾患等
・多胎妊娠
・その他
以上のように様々な理由があります。どれもがサポートに値する理由なのですが、その他の中には男性による虐待や父親が誰だかわからないなどの事情もあります。
特定妊婦の場合どうしたらいい?
自分から声をあげることが大切です。多くの場合、母子手帳が発行されていない、つまりは妊娠していても何もしない状態にしている女性も少なくありません。
そのまま堕胎や分娩後の放置死などの可能性があり、周囲が見つけなくてはいけない状況もあるでしょう。
地域ぐるみで特定妊婦らしい女性を見つけるのも大変です。何よりも大切なことは本人が声を上げることです。
まずは、どこに相談したら良いのかというと、保健所の相談窓口です。電話などの相談の場合は保健所が一番いいでしょう。産婦人科などの医療機関を経由するのも大切です。
体に異常が出るのは間違いありませんし、本人が不安になることから診てもらうことが多くなるからです。その場合、医師のほうから保健所の妊娠相談窓口などに一報入れるケースが少なくないようです。
どのようなケアが必要?
女性にとって、妊娠・出産・育児というのはとても大変です。普通はパートナーである男性がそばにいて支えてあげなければいけないのですが、特定妊婦の場合は男性がそばにいないことがほとんどです。
経済的にも不安定であり、物心両面でのサポートが絶対条件と言えるでしょう。
2017年の調査になりますが、特定妊婦は全国で8500人確認されています。特定妊婦という言葉は新しく、10年前に児童福祉法が改正されたときに生まれました。
生まれたばかりの新生児が死亡するケースが相次ぎ、社会問題化した時期と重なります。それまで、行政は不介入だった妊婦について、妊婦への支援が初めて法律で定められたのです。
▼ようやく明けた10連休!
銀行や病院には長い行列、連休疲れでお休みの業種も・・・
▼増え続ける「特定妊婦」とは?
“望まれない妊娠”で生まれてくる赤ちゃんを救う取り組み今夜11時~「NEWS23」 pic.twitter.com/Pdgy1A4wXB
— news23 (@news23_tbs) 2019年5月7日
費用がなくても支援してくれるの?出産後はどうしたらいいの?そもそも望まない妊娠だから育てたくない…
そういった声も少なくないのです。
そうなると生まれてくる赤ちゃんの行き場はどうなるのか…
そのために、「特別養子縁組制度」があります。児童相談所などが窓口となるのですが、精度を斡旋するNPO法人などもあります。
生まれて来る子どもを母子ともに支えていく、母と子を話して子どもを里親に出す…特定妊婦となるといずれか1つを選択しなくてはいけません。
実の子ですから自分で育てるのが一番なのですが、そんなきれい事では済まないことから、特定妊婦の制度が生まれたのです。「特別養子縁組制度」も整備されていますし、「児童虐待法」も改正されています。
今後は様々な支援制度によって母親を守る、生まれて来る子どもを守る、子どもの健やかな成長を見守るといったことが地域や行政でしっかりとサポートする世の中になることでしょう。
ネットの反応
「そもそもこうやって救いを求めるのがなぜいつも女性なのか…釈然としない」
「生まれてくる赤ちゃんに罪はない」
「母親の自覚1つなんだけど、そんなきれい事では解決できそうもない。母親はつらいだろうけど、生まれてくる赤ちゃんにとっては最善の道を歩んでもらいたい」
特定妊婦に認定され、生まれてくる赤ちゃんの行き先としては「特別養子縁組」がもっとも適しているとされています。そのための法整備が成されてきていることから、国もしっかりと後押しするということでしょう。
望まない妊娠をしない…ということが一番大切ですが…。