旧作『トップガン』のニンジャGPZ900Rはメチャかっこよかった

おかえり『トップガン』  今見てもカッチョエエ!! 憧れのマーヴェリック仕様GPZ900Rはいまいくら!?

トム・クルーズを一躍スターに押し上げた1986年公開の映画『トップガン』。

実に36年ぶりとなる続編『トップガン マーヴェリック』が、ついに本日公開されました。

旧作では戦闘機F-14もさることながら、地上での愛機GPZ900Rのカッコよさにシビれた人も多かったことでしょう。

そこで新作の公開を機に、今このバイクが買えるのか調査。

合わせて、主人公が駆った「マーヴェリック仕様」の詳細を振り返ってみました。

地上の戦闘機=GPZ900Rはトップガンの名脇役

大気を切り裂くようなギターサウンドの『デンジャー・ゾーン~TOP GUN THEME』とともに、F-14トムキャットのスカイアクション、そしてカワサキGPZ900Rで疾走するトム・クルーズの姿がありありと甦ります。

――1986年(昭和61年)に公開された『トップガン』を今なお鮮烈に覚えている人も多いのではないでしょうか。

本作は、米軍航空戦パイロットのエリート養成学校(通称トップガン)を舞台に、エースパイロット候補生の苦悩と栄光を描き、1986年の全米および日本の興行成績1位を記録。

当時、トムが演じるマーヴェリックが着用していたフライトジャケットやレイバンのサングラスをマネして購入した人も多いことでしょう。

そして、主人公の愛車であるGPZ900Rがブームになったのも確実にトップガンの影響があるはず。

「GPZ900R」は、カワサキが威信を賭けて開発したフラッグシップで1984年にデビュー。

1972年に生まれた空冷Z1系に代わる次世代の「Z」で、当時の世界最速を誇りました。

心臓部は、軽量コンパクトなサイドカムチェーン式の908cc水冷DOHC4バルブ4気筒を完全新設計。

これをカワサキ市販車初のダイヤモンドフレームや、近代的なリヤモノショックのシャーシに搭載しました。

最高出力は115psとライバルより控えめでしたが、乾燥重量228kgの軽さと優れた空力特性により最高速は250km/hに到達。

0-400m加速は10.976秒を達成したのです。

北米では「Ninja」のペットネームが付けられ、現代でもスポーツバイクの称号であるNinjaの記念すべき初代でもあります。

当初は北米や欧州仕様などが存在。

国内に逆輸入されていましたが、1991年から国内仕様も設定されました。

トップガンでは、F-14で空を飛び、Ninjaで陸上を駆けます。

F-14を見上げながらNinjaで滑走路を走るシーンなど、世界最速機であるNinjaだからこそサマになった側面が大きいといっていいでしょう。

現代の目から見ると、唯一無二の尖ったフォルムが今なおカッコいい!

純正でマーヴェリック仕様は存在しないが、似ているモデルも

劇中で登場した黒×赤のGPZ900Rは、登場2年目の「A2」と言われています。

しかし、そのものズバリのカラーリングは発売されていないのです。

似ているのは1984年型の「GPZ750R」。

これは日本向けにボア×ストロークをダウンし、748cc化したモデルで、初代の黒×赤(G1)が最もトップガンカラーに近くなっています。

しかし、ノーマルではサイドパネル下部が赤なのに対し、マーヴェリックのNinjaはブラック。

また、フロントフェンダーの色が違い、メーカー名や車名も消されています。

劇中の車両は、900に750の外装を装着し、オリジナルペイントされたとの説が濃厚。

米国選手権AMAスーパーバイク参戦用にGPZ750Rが北米に数台輸出され、その外装が使用されたとも言われています。

レジェンドぞろいのカワサキ人気車の中では比較的買いやすい!

さてGPZ900Rは今も買えるのでしょうか。

程度のいいタマは少ないものの、まだまだ購入可能のようです。

GPZ900Rは、1999年のA12で国内仕様が生産終了。

その後マレーシア仕様の生産が続けられましたが、2003年型で殿堂入り。

ファイナルエディションと呼ばれる最終型A16がラストとなります。

カワサキによると「2002年までに累計8万台以上が生産」されたそうです。

これだけのヒットモデルはそうそうなく、中古車のタマ数が減少する昨今ながら、在庫は潤沢にある部類です。

調べによるショップ相場は、約20年もの歴史を持つだけにピンキリですが、安いタマは乗り出し価格で70万台から。

中心相場は130万~140万円台で、カスタム車や程度のいいノーマル車は200万円前後~と幅広い価格帯を形成。

ハードカスタムでは300万円超のものもあります。

安い車両は主に1990年代前半までのもので、バイクブームの影響もあってコロナ前より相場は全体的に30万円程度上昇しているようです。

もちろんヤフオクなどの個人売買はより相場が安く、50万円以下のものもあります。

ファイナルエディションの当時新車価格は89万円なので、やはりプレミア相場ではあります。

しかしカワサキでは、Z1をはじめ、超高額な旧車が多数存在しており、それらと比較すれば、断然買いやすい相場と言えるでしょう。

GPZ900Rの特徴としてカスタム車が主流。

1980~90年代当時”Ninjaはカスタムしてナンボ”という風潮があり、ノーマル車両は貴重のため、高額で取り引きされがちです。

なお、750はほぼ数がなく、もしあれば相場は900より大幅に安いトップガンカラーである1984年型750や1985年型900の黒×赤は皆無で、ごくまれにカスタムペイントしたレプリカカラーが存在します。

36年ぶりの続編は世界最速の新旧Ninja共演も見どころ!

2019年の公開予定から度重なる延期を経て、ついに5月27日に披露された新作『トップガン マーヴェリック』にも”Ninja”はしっかり登場しています。

覆われたシートからGPZ900Rが現れる場面が登場。

さらに現代のNinjaである「Ninja H2 CARBON」で滑走路を走るシーンがあります。

Ninja H2は、市販バイク初のスーパーチャージャー搭載車で、2019年型から史上最強の231psを発生。

撮影車は細部の色が異なり、クローズコース用であるH2Rのマフラーが装着されています。

なおH2は撮影時点では現役でしたが、2021年モデルで生産終了となりました。

ちなみに中古車はまず見ません。

新作では、トップガンのリーダーとしてマーヴェリックが教官に復帰。

彼が教える若きパイロットの中には、かつての相棒で飛行中に命を落としたグースの息子の姿もあります。

世界最速を誇った新旧Ninjaの共演は、世代交代など様々なドラマを象徴するかのようです。

――36年前に胸を熱くしてくれた『トップガン』が、現代にどんな物語を紡ぎ出すのか…見ずにいられませんね。

ネットの声

「32年ほど前に、逆輸入車の欧州仕様を免許がないまま購入し、逃げ場を絶って限定解除に挑み、奇跡的に2回目で合格して晴れて900Rに乗り始めました。
リッタークラスなのに市街地もスムーズに走れ、これ以上のバイクはないと思うくらい良いバイクでした。また、ノーマルのエギゾーストノートが大好きで、カスタムする気は微塵もありませんでした。
実質3年間しか乗りませんでしたが、今も夢の中で登場してくれます。」

「当時GPZ900かGSX1100Sのそれぞれ新車ファイナルで悩み、結局GSX1100Sの中古古カスタムを購入しました。今は動態保存をしています。
すでにそれぞれ旧車と呼ばれていて現在の中古価格は物によってはありえない金額ですね。
ただ個人的には一コケ何万、純正部品の供給もほぼ終わり、維持するのも大変です。
(それもあり動態保存をしています。)
これから購入する方はメリットデメリットを考えながらもお好きなバイクに乗ってください。」

「確かにトップガンでGPZ900Rの人気は上がったけど、当時は試験場での一発試験でしか免許は取れなかったから実際乗っている人はそこまでは多くなかった気がした、どっちかと言うと良く見るように成ったのは90年代に入ってからって印象。」

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