自動車業界の団体である日本自動車工業会会長でトヨタの社長である豊田章男。

緊急事態宣言のかなり前から、何かできることはないかと模索していました。

作れるものは何でも作る

記者会見で「モノ作りで貢献する」と語っています。

「終戦時の話ですが、戦争で人も減り、工場も失ったトヨタは、それでも、なんとか生き延びていくために、作れるものは、なんでも作ったそうです。鍋やフライパンを作り、さらには、工場周辺の荒地を開墾して芋や麦まで作っていました。
スバルでも、農機具や乳母車、ミシン、バリカン等、あらゆる生活品を作っていたとも聞きました。とにかく今はやるべきこと、自分にできることは何でもやっていく」

これに関してトヨタ広報は次のように補足しました。

「社長の豊田はコロナ危機に際してふたつのことを決めています。ひとつは喫緊の問題である医療の現場を支援すること。最前線で戦っている人たちのためにできることをやりたい。もうひとつは震災でもそうでしたけれど、危機のときに必要なのは事業をやり続けることだ、と。自動車産業は波及効果が大きい産業です。働く人も多い、部品会社も多い、その周りのサービス産業の人たちも大勢います。みんなの生活を守るためには事業を継続する。そして、工場が動く音、日常の音がみんなを元気にすると言っています。危機のとき、日本に貢献するために当社は国内に生産拠点を残してきました。ですから、マスク、フェイスシールドといったものなら作ることはできます」

トヨタが作ったマスク

トヨタグループが作ったマスクを試着してみました。

肌ざわりは多少ゴワゴワしていますが、繊維層は3層です。

着け心地よりも機能性を重んじたそうです。

聞けば車のフィルター素材を利用したとのこと。

実はトヨタには人工呼吸器についても「なんとかできないか」という声が寄せられていたといいます。

しかし、同社は直接の製造ではなく、製造現場のカイゼンという側面からの支援に決めます。

それは次のような理由から。

「人工呼吸器は人の命に直結する医療器具です。自動車も人命に関わる製品ですので、命に関わるモノづくりが、どれだけ難しいかを我々は理解しています。簡単なことではありません。まずは、医療機器を作っている方々のところに行き、その生産をひとつでも増やせるような、生産工程の改善など、我々のノウハウが活かせるサポートを始めてまいります」(豊田章男)

加えて、病室用ベッドの部品などの製作も始まっています。

東日本大震災への支援を振り返る

自動車業界は日本の基幹産業です。

波及効果は大きいものがあるでしょう。

それはコロナ危機以前に行った東日本大震災への支援と結果を見ればわかります。

2011年から9年間、息の長い支援を行い、東北地方に重点投資をしました。

その結果、当時は500億円だった東北地方の自動車の出荷額は現在、16倍の8000億円に増えています。

また、東北に立地する部品メーカーなどサプライヤー企業の数は約100社から170社となりました。

さらに、人口が流出することが多い地方であるのに、就業人口を3000人も増やすことができたのです。

トヨタはこんな発表をしています。

「コロナ危機のなか、新型コロナウイルス感染症で闘病中の方、日夜奮闘されている医療従事者・政府・自治体関係者の皆様に対して、何か貢献できないかとの思いから、トヨタグループが力を合わせて取り組む支援活動の総称を『ココロハコブプロジェクト』といたしました」

プロジェクトの名称は東日本大震災の時と同じ。

同じ名称にしたのは、いちばん弱い立場の人たちのために、息の長い支援をすると腹をくくったからであり、支援の後の復興も視野に入れているということでしょう。

高倉健が椅子をすすめた“最前線の人”

今、思い出してみると、「いちばん弱い人たちのために」が身についていたのが高倉健さんでした。

亡くなった志村けんさんも出演した映画『鉄道員(ぽっぽや)』のロケ現場での光景です。

高倉さんは初めての映画出演になる志村さんを気遣い、前夜、志村さんの留守番電話にメッセージを吹き込みました。

出演シーンでは、じっと演技を見つめていたそうです。

ロケの終了後には用意してあった大きな花束を手渡して「お疲れさま、写真を撮りましょう」と肩を並べました。

それくらい、志村さんのことを考えていたんですね。

しかし、高倉健さんが見つめていたのは志村さんではなかったのです。

共演していたスターでもなければ監督でもなかった。

彼の視線の先にいたのは……。

高倉健さんは撮影中、絶対に椅子に座りません。

撮影が長引いて、深夜になっても座らないのです。

自分も座らないし、他人にも椅子をすすめません。

しかし、厳寒のロケ地で、彼はある3人のことが気になったのです。

自らパイプ椅子を広げて、「お疲れでしょう。あなた方は座って休んでいてください」と言ったのです。

相手はエキストラの女性2人と志村さんの息子役の小学生でした。

子役を椅子に座らせてから、話しかけた。

「撮影、長引いて悪かったな。もうすぐ終わるぞ。そしたらおじさんが寿司をおごってやる。それともステーキがいいか?両方でもいいんだぞ」

コロナの時代にわたしたちがやることとは最前線に立つ人、いちばん弱い立場にいる人をできる限り応援、支援すること。

弱い立場にいる人たちを見つめる。そして、危機が落ち着いたらフルスロットルで働く。

人は他人のために行動を起こすとき、もっとも力が出るのです。

ネットの反応

「医療機関の人は相当大変な中、仕事が無くて困っている人もいます。どんなアイディアで自分が活躍できるかを考えれば、新しいビジネスはたくさんあります。発想力やアイディアがあれば打開出来る事ある気がする。賛成、反対ではなく何するかかなと思います。震災などでもボランティアたくさんしましたが、困っているから新しいビジネスや方法がたくさん出てきたのを覚えてます。仕事が無くて困ってたら、1億2千万の知恵と行動力で打開しましょう。資格なくても、スーパーをはじめ生活必需品の店や運送業など逆に人手不足で短期のバイトもありそうですよ!」

「最初の日本Disは要らないと思うけど。日本は感染者数も死者数もよく抑えてる。ドイツが日本をDisっても、この感染者数と死者数が日本との差を埋められない。ところでトヨタのフェイスシールド、あっという間に製品化しましたね。この短期間で製品化なんて凄いと思う。」

「事業を継続させる、従業員の雇用を守る、これが企業の責務。裾野が広い大企業ほどこれを実行して、下請けを含めた従業員の雇用を守ってほしい。トヨタならもっともっと色々できるはずだ。」

シャープのマスクが取りざたされていますが、大手企業はどのような形であれ、現在の緊急事態に対処しています。

オールジャパンの真価はこれからですね。

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