会社員の平均月給は30万円だけどトラック運転手の給料は絶望的

会社員の平均給与「月30万円」だが…49歳・トラック運転手、絶望の手取り額「こんなに働いて、これだけ」

コロナ禍でネットショッピングをする人が増えましたが、それに伴い、忙しくしているのがトラック運転手。

そこで気になるのが、彼らの給与。どれくらい働き、どれくらい稼いでいるのか、みていきましょう。

コロナ禍で「トラック運転手」のニーズが爆増

コロナ禍によって増えたもの、減ったもの、は色々ありますが、増えたものといえば「ネットショッピング」ではないでしょうか。

外出がままならないなか、「初めてネットで買い物をした」という人も多いはず。

行動規制が緩和され日常が戻るなかでも、一度便利な体験をしたなら、すべてが元通りということはなく、引き続き、ネットの世界で買い物を楽しんでいる人は多いでしょう。

そんなネットショッピングで、欠かせない存在なのが、トラック運転手。

どんな便利なサービスでも、最終的に商品を手元に運んでくれる人がいなければ成り立ちません。

トラック運転手は、私たちの生活にはいなくてはならない存在といえるでしょう。

貨物自動車を運転して貨物を輸送するトラック運転手。トラックは大きさと用途により、コンビニや宅配便など近距離向け「小型トラック」、中・近距離で幅広く利用される「中型トラック」、長距離での大量輸送向けの「大型トラック」に分類されそれぞれ必要な免許が異なります。

また配送距離によって仕事内容に違いがあり、近距離では積み降ろし作業が多く、中距離は納品先によっては泊まりになることも。長距離は片道500kmを超えるなど、運転時間・拘束時間が長く、車中泊になることも珍しくありません。

特に学歴は問われませんが、第一種運転免許を取得する必要があります。

また普通免許のほか、準中型、中型、大型自動車運転免許も必要になります。

運転する車、取り扱うモノによっては、牽引免許や危険物取扱者などの資格が必須になる場合もあります。

【トラック運転手の学歴】

高卒未満:12.7%

高卒:60.3%

専門学校卒:7.9%

短大卒:1.6%

高専卒:3.2%

大卒:9.5%

出所:厚生労働省職業提供サイト『jobtag』より

初任運転者は国土交通省告示により、トラックに乗っての実指導のほか、積荷の搭載方法や日常点検の方法などの座学研修が義務付けられています。

また会社によっては免許取得を支援する場合も。中途採用であれば、即戦力が求められることが多くなっています。

また運転手から内勤職となり、国家資格である運行管理者を取得し配車担当となる、といったキャリアアップも。

給与は平均を下回り、労働時間は平均を上回る…「トラック運転手」の苦渋

そんなトラック運転手。どれほどの給与を手にしているのでしょうか。

厚生労働省『令和3年賃金構造統計調査』によると、平均給与(大型トラック運転手の所定内給与額)は月28.2万円(平均年齢49.9歳、平均勤続年数12.1年)。

手取りにすると22万円ほど。

手当や残業代を加味した推定年収は463万1,900円です。

全産業の平均は月収30万7,400円、推定年収が489万3,100円ですから、平均を若干下回ります。

賃金以上に問題視されているのが、まずは人手不足。

厚生労働省『令和3年11月 労働経済動向調査』によると、全産業の欠員率は2.3%に対し、トラック運転手含む運輸業・郵便業の欠員率は3.5%。

有効求人倍率も令和3年度2.06と、全産業の倍近く。

完全に人手が足りていません。

さらに高齢化も進行。全産業の平均年齢は43.2歳に対し、大型トラック運転手の平均は49.9歳、それ以外の運転手で47.4歳。

このままではドライバー不足はますます深刻化することが確実視されています。

なぜ人手不足なのかは、その労働環境にあるといえます。

トラック運転手の年間労働時間は、大型トラックで2,244時間、それ以外で2,484時間。

全産業平均は2,112時間ですから、トラック運転手は全産業と比較して、低賃金のうえ、長時間労働という厳しい労働環境下にあり、それが人手不足の要因となっています。

国土交通省によると、宅配便の取り扱い個数は右肩上がり。

1992年は年間12億個だったのが、その10年後の2002年には28億個、さらにその10年後の2012年には35億個、コロナ禍の2020年には48億個に達しました。

運転手の負荷になっている再配達率は、コロナ禍の2020年4月には在宅率の増加もあり大きく改善しましたが、在宅率が下がるにつれて上昇傾向に。

2021年10月では全国で11.9%、都市部で13.0%、地方で10.4%。10件に1件以上という状況に。

このままでは、便利な宅配サービスが受けられなくなる……そんな未来が待っているかもしれません。

再配達は利用者1人ひとりの心がけでも避けられるもの。

ちょっとした気遣いが、トラック運転手の労働環境改善にもつながります。

ネットの声

「どこの会社も少子高齢化で若い人材の奪い合い。今どきの若い子はこれまで多くの国民が騙されてきたブラック企業に勤める事などしない。ブラック企業が全てを改めない限り、応募など無いだろうし、入ってもすぐ退職するだろう。「払うべき見合った給与はしっかり払う」「ハラスメントなどを許さないコンプライアンスを強化する」「サービス残業が当然の勤務体系は組まず、労基法を遵守する」「福利厚生の充実や有給消化を認める」こういった事をしっかりと取り組んだ会社に人は集まる。やらなければ人は消えていくし、会社も消えていく。しかし、問題は会社が倒産していくことで、国民が受けられるサービスも減っていく可能性が高まる事。だが、それもある意味で覚悟していかなければならないかもしれない。」

「なぜ人手不足なのか←意味がわからないんだけど。てかもう答え出てますよね?それなのにいつまで同じことを繰り返すのかわからない。んじゃそこを改善すればいいのでは?そりゃ納得できて金額いい所は人手不足なんてならんよな。人手不足、人手不足って嘆いてるところはなぜに労働面や賃金面を改善しようとしないのか不思議で仕方ない。今の時代お互いWIN WINの関係があってこその成り立ちであってそれがないのなら安い荷主は切ればいいんじゃないのって思う。」

「運輸業界に詳しくないですが、記事を見る限りだとトラックの運転手は学歴関係なく「誰でもなれる仕事」ではあるが「誰でもできる仕事」ではなさそう。
それなのに給料や待遇が悪ければ出ていく人が増えて人手不足になるのは当然だよね…という感想
ネット販売を活用している身としては運送料が高くなるのは少し痛いが、誰もやらなくなってしまうくらいなら、多少運送料を上げててでも労働環境を改善してほしいものである。が、そうしたら世間は他の会社使おうってなるから難しいな…」

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