
若者のクルマ離れが止まらない 新成人の半数近くが「興味ない」「免許持ってない」
2021年の新成人に「若者のクルマ離れ」について聞いたところ、「あてはまる」との回答が37.8%、「あてはまらない」が30.9%となったのです。
前年2020年の調査でも、「あてはまる」が37.4%、「あてはまらない」が32.8%というほぼ同様の数字でした。
コロナ禍で「不特定多数者と接触しない」「三密回避」などの理由から車の再評価を指摘する向きもあるのですが、
新成人の意識調査の結果からは、クルマ離れの傾向に変化は見られませんでした。
経済的な余裕ない」が6割
調査はソニー損害保険が2020年12月2日~9日、「新成人のカーライフ意識調査」として、21年の新成人(2000年4月2日~2001年4月1日生まれ)を対象にインターネットで行い、1000人の有効回答を得たものです。
「クルマに興味があるか」という問いについては、「あてはまる」が36.2%、「あてはまらない」が41.5%で、「興味がない」と答える若者の方が多く、クルマ離れを裏付ける数字が出ました。
「自動車の運転免許を持っているか」を尋ねたところ、オートマ限定は36.8%、マニュアルミッションは14.5%で、合計した運転免許の保有率は51.3%と、かろうじて半数を超えました。
しかし、前年2020年の調査(オートマ限定36.1%、マニュアルミッション20.3%、計56.4%)と比べ、マニュアルミッションの比率が落ち込み、全体の保有率も下がっており、ここでもクルマ離れが鮮明になったのです。
購入意欲はある!?
実際にクルマ(バイクを除く)を持っているか聞いたところ、「自分のクルマを持っている」はわずか14.4%(前年14.8%)でした。
ただし、「自分のクルマを購入する予定がある」9.4%いたほか、「購入する予定はないが、いずれは欲しい」という人も44.1%と、相当な数に上ったのです。
「車を所有する経済的な余裕がない」という質問には、61.9%が「あてはまる」と答えました。
さらに、「メーカーにもっと若者向けの車を作ってほしい」と思うかを尋ねたところ、「あてはまる」が41.9%、「あてはまらない」は24.7%と、「作ってほしい」の回答が多かったのです。
このあたりの数字は、若者へのアピール次第で購入意欲を刺激できる可能性があることを示していると読めます。
クルマのサブスクにも関心薄?
一方、定額料金を支払うことで自動車を一定期間利用できる「サブスクリプション(サブスク)」について、利用したいかを尋ねたところ、
「利用したい」と「利用したいと思わない」が、それぞれ50%で拮抗しました。
「利用したい」理由のトップは「初期費用を抑えられるから」、「利用したいと思わない」理由のトップは「仕組みがわからないから」。
ほかにも「気を使いながら乗らなければいけなそうだから」「自動車に乗るなら購入したいから」が続きました。
新しいクルマの利用方法として注目されるサブスクですが、これにさえ若者があまり関心を示さないあたり、
クルマ離れの深刻さを改めて印象付ける調査結果といえそうです。
ネットの声
「あくまで、都心や都会での集計って付け足すことしなきゃ。我が田舎では若者であろうが、免許がないと生活に苦労します。だからほとんどの人は免許を取ります。」
「地域差が結構あると思う。交通網の整備が貧弱な地方は必需品、大阪郊外でもクルマは必要、ただ、この国ではあまりにもコスト高、今のまま推移すれば先細りであることは間違いないが、一方勝ち組は高級車を選び乗り回してる現状がある。この国の格差も激しい。残念だけどこれが現実。」
「若者の車離れではなくお金の若者離れというのもよく言われます。クルマってのはとにかくお金がかかりますからねえ。マイカーなくても生活に困らない都会なら不要と考える若者は多いでしょう。でも金持ちになれば車に凝ってみたいと思う人もそれなりに多いはず。うちは田舎なので必需品ですが」
地域差がかなりあります。
コロナ禍で逆に免許取得率が上がったという調査もあります。
免許取得率が上がらないとスタートラインにも立てませんからね。