
もし地球に「実在する小惑星」が落ちたらどんな被害が発生するのか?
もし地球に小惑星が落ちた場合、どのような被害が出るのでしょうか。
衝突が地球に与えるダメージについて、海外YouTubeチャンネル「What If」が実在する惑星のサイズごとに解説しています。
恐竜を滅ぼしたといわれる「チクシュルブ小惑星」の破壊力とは?
太陽系にある天体には多くの「小惑星」や「彗星」が存在しています。
この2つは決して同じものではありません。
小惑星とは、私たちの住む惑星の形成初期にできた岩石質の残骸であり、100万個以上あると言われています。
小惑星のほとんどは、火星と木星の間にある小惑星帯で太陽の周りを回っています。
彗星とは「凍ったガス」「岩石」「塵」からなる雪だるまのような天体です。
太陽系には3,000個の彗星があり、太陽の周りを回っています。
また、太陽に近づきすぎると溶けてしまい、惑星よりも大きな塵やガスの雲が発生します。
その「小惑星」「彗星」が、隕石となって地球に落ちてきたらどうなるのか、まずは過去の事例を元に考えてみましょう。
2013年2月に「チェリャビンスク隕石」がロシア上空で爆発しました。隕石の直径は約17mと隕石の中では比較的小さなものです。
しかし、その時の爆発は大きく50万トンのTNTに匹敵するエネルギーを持っていました。
これは広島に投下された原爆の約30倍の威力です。
この隕石によって1,200人が負傷し、莫大な物的損害を与えたのです。
6,500万年前には、恐竜の大量絶滅をもたらした原因のひとつと考えられている「チクシュルブ小惑星」が地球に落ちました。
「チクシュルブ小惑星」の大きさは幅が約10?15kmととても巨大な隕石でした。
メキシコのユカタン半島には、衝突の際に発生した幅180km、深さ900mのクレーターが存在します。
この小惑星が地球に衝突した時、近くにあった全ての物を破壊し、爆風は膨大な量の岩石を大気圏に送り込みました。
そして、高さ1,500mにも及ぶ津波も引き起こしたのです。
また、煤煙は太陽光を完全に遮断する事はありませんでしたが、地球表面に届く太陽光の量を減らしました。
その為、植物の生育は深刻な打撃を受け、それが食物連鎖に影響を与え、生態系全体の崩壊に繋がったのです。
半径476kmの超巨大小惑星「ケレス」が地球に落ちたら?
まずは、天体観測史上初となる、太陽系外から飛来した「オウムアムア」を紹介します。
長さは約400mで、素材は岩石、形状は葉巻型です。
NASAによると「彗星と分類していますが、小惑星の特徴も持っている」との事です。
この天体は、2017年に4100万kmの距離で地球のそばを通りました。
その時は衝撃を受けずに無事でしたが、もしも地球に落ちていれば、塵や破片が長時間大気中に留まり、地球は暗闇に覆われていたでしょう。
そして、太陽光に依存する人間や多くの動植物は生きていく事が出来なかったはずです。
「ベンヌ」と呼ばれる小惑星は、2182年の9月に1700分の1の確率で地球に落ちる可能性があるといわれています。
この小惑星は0.5kmと比較的小さいですが、直径17mの「チェリャビンスク隕石」の衝突がどれほど大きなものだったかを考えると、決して侮れません。
ちなみに、ベンヌは6年ごとに地球に大接近します。その度、人類は不安に感じるのかもしれませんね。
次に、1994年に木星に衝突した大きさ1.5~2kmの「シューメーカー・レヴィ第9彗星」を紹介します。
この彗星は木星の重力によって20個に割れ、衝突しました。
この破片の衝突は非常に大きく原子爆弾の約3億個分の威力と匹敵したといわれています。
破片による噴煙は高く舞い上がり、大気は3万?4万℃の灼熱地獄となってしまうでしょう。
「シューメーカー・レヴィ第9彗星」がもし、地球に落ちていたら間違いなく人類にとって大きな被害を及ぼしていたはずです。
モルダバイトは約1,450万年前に発生した直径1.5キロメートルの小惑星の衝突でできた石である。昔から宇宙の力を秘めているといわれていた pic.twitter.com/jhnWcr7vrt
— 宝石bot (@bot15230733) April 16, 2022
最後に、準惑星に分類されるほど大きな小惑星である「ケレス」を紹介します。
ケレスの半径は476kmもあり、小惑星帯の全質量の25%を占めます。
これは小惑星帯の中で最も大きな天体であり、「チクシュルブ小惑星」の60倍以上に匹敵します。
まず「ケレス」が接近すると、その大きさだけで太陽の光が遮られます。
そして「ケレス」が地球に衝突したら、地球の地殻は10kmも削られ、極超音速の衝撃波が地球全体に波及します。
そして進路上にあるすべてのものが燃え、平らになります。
地球は火と溶けたマグマで輝く惑星となり、当然、誰も生き残れないでしょう。
もし奇跡的に、秘密の地下シェルターで生き延びる事が出来たとしても、大気中のすすで太陽の光は遮断され核の冬のようになります。
人類は隕石が落ちても生き続けられるように地下の生活に慣れておく必要があるかもしれません。
6600万年前の小惑星衝突で死んだ恐竜の化石を発見か | Business Insider Japan https://t.co/42zDDH72BO
— GUNDAM00 刹那・F・セイエイ (@GUNDAM00_S_F_S) April 16, 2022