予習はしない…復習だけで十分な理由

「予習しない人」が試験に受かり、「しっかりやる人」が落ちる“驚きの理由”

「予習なんか、いっさいしなくていい!」。

そう言い切るのは、これまで20万人の教え子を指導してきた伝説の予備校講師で、自身も資格試験の合格率90%超えを誇り、さらに著書『はぶく勉強法』も好評な並木秀陸氏。

予習をしっかりする人は試験に落ち、予習をいっさいやらない人は試験に受かる……。

この一見、不思議な法則について、並木氏みずから解説してくれました。

勉強は復習だけに絞りなさい

予備校に通っている人の中には、講義を受講するからには、予習することが絶対に必要だと考えるAさんタイプの人と、予習するだけ時間のムダだと考え、講義ではじめて内容を学ぼうとするBさんタイプの人がいます。

一見、Aさんのほうが合格するだろうと思われるかもしれませんが、結果、Bさんは合格し、なんとAさんは落ちました。なぜ、予習熱心なAさんは落ちたのでしょうか?

Aさんは、あらかじめ講義内容を学んでおき、予習で理解できなかったことを講義で補完して理解したい、そのために予習はしっかりしておきたい、と考えていたそうです。

この考え方も間違いとは言えません。

ですが、お金を払って通う予備校の講義に予習が必要となれば、その予備校もしくは講師は、そもそも講義力がない可能性があります。

予習が必要と思った時点で、Aさんは落ちていたのかもしれません。

私は、受講生に「予習なんか、いっさいしなくていい!」と伝えています。

Bさんにはもちろん、リベンジ組として私のところに学び直しに来たAさんにも、そう伝えました(Aさんはかなり驚いていましたが)。

もしもあなたが予習をする人であれば、Bさんのスタイルについてはかなり極端に思うかもしれませんが、では、そんな予習をするという方に質問です。

復習はどうでしょう?

あなたは講義の予習をして、さらに復習もしていけますか?

予習ほど効率の悪いものはない

もちろん、最初の講義には復習はいりませんが、2回目からは次回の予習と、前回の復習をしていくことになります。

予習と復習、いわば二刀流です。どちらもバランスよく勉強していくことができるでしょうか?

私のような講師の立場からすれば、予習ほど効率の悪いものはありません。

なぜなら、試験の素人である受験生にとって、試験対策上、何が重要で何が不要かの判断がつかないはずだからです。にもかかわらず予習する……これはいかがなものでしょうか。

試験合格に必要な情報とそうでない情報を、きちんと分けた上で予習する受験生を、私はいまだ目にしたことがありません。そんなこと、絶対にできないからです。

とくに最初のうちは、参考書を使って予習しても、知識の要不要の判断ができるはずがありません。

この状態で参考書を読んでも、試験合格に必要がない知識まで必要な知識と同じように勉強することになります。

必要な知識を充分に学ぶ時間を減らし、不要な知識を学ぶのに時間を使うという、結果的にムダの多い勉強時間となってしまいます。

何より、予備校のテキストを読んだだけで、問題の解き方まで一気に理解することはほとんどありません。

理解できるなら、そもそも講義自体が不要と言えます。

試験勉強は「観光旅行」ではない

さらに、別の問題もあります。

たとえば、はじめて海外旅行に行こうと考えた場合、事前に現地のガイドブックを買って読んでおけば、理解が早く、効率もいいでしょう。

ガイドブックに載っている写真や説明から、自分が興味を持ち、行ってみたいと思う場所を見つけられます。

ただ、試験勉強は観光旅行ではありません。自分が興味を持ったかどうかではなく、試験に出題されるか、合格するために必要かどうかを見極めねばなりません。

予備校のテキストなんだから、その必要な部分だけに絞って載せているんじゃないのか、と思う人もいるかもしれませんね。

いえいえ、それらの教材であっても余計なことがたくさん載っています。

なぜなら参考書や予備校のテキストは、試験に出る可能性が少しでもあるものはすべて載せる形になっているからです。

もしも本番の試験でテキストや参考書に載っていないことが出題されれば、それこそクレームの対象になるからです。

ですから、かなりのボリュームになってしまうものも多くあります。

そのため、資格試験の参考書は、試験範囲とされているすべてを(ある程度は)説明するものとしてつくられていると考えるほうがいいでしょう。

ようするに、試験に出題される可能性のあることに関しては、一通り網羅されているものなのです。

試験合格に必要な知識を最短時間で得るためには、二刀流は得策ではありません。

予習するという考えを捨て、復習だけに絞りましょう。

はぶく勉強法 20万人が証明 インプットを8割削って一発合格 並木秀陸 (著)

【「サボる」人のほうが受かるって…どういうことですか?】

・10割覚えるなんてムリ、2割だけ完全に抑えたほうが受かる
・復習は適当にやって、予習は一切しないほうが受かる
・試験勉強に専念せず、しかも勉強時間を短くしたほうが受かる
・入念な準備は不要、勉強計画はザックリ立てたほうが受かる
・教材を持ち歩かないで、スマホにデータを入れていたほうが受かる…

資格試験予備校の代表として20万人の教え子を指導し、自らも資格試験の合格率90%を超える伝説の予備校講師が、「意外に満ちた」試験合格の勉強法を伝授します!

【真面目に勉強した人は落ちる、徹底的にムダをはぶく人は受かる】

・参考書にこだわる人は落ちる、参考書なんてどれも同じという人は受かる
・1ページ目からはじめる人は落ちる、知らないところからはじめる人は受かる
・ノートをきれいにまとめる人は落ちる、適当に書いている人は受かる
・とにかく覚える人は落ちる、暗記の量を減らした人は受かる
・耳栓を手放せない人は落ちる、音のある場所を好む人は受かる…

データは嘘をつきません。

なんと、真面目な人ほど資格試験とは相性が悪いのです。

本書では、一途に勉強と向き合うAさんと、ムダをはぶきまくるBさんを登場させ、なぜAさんは落ちてしまい、どのようにしてBさんは受かったのかを、具体例を盛り込みながら分かりやすく解説していきます。

【試験当日にも使える「合格のアウトプット」まで大公開】

・A判定で安心する人は落ちる、B判定でいいという人は受かる
・過去問を解きまくる人は落ちる、5割しか解かないと決める人は受かる
・時計を頻繁に見る人は落ちる、1時間に1度しかみない人は受かる
・試験問題とガチバトルする人は落ちる、忖度できる人は受かる
・合格率の低さにビビる人は落ちる、受験者の5割は敵ではないと考える人は受かる…

著者は「満点を狙う人は落ちます」と断言しています。

“ムダをはぶくアウトプット”は試験日当日にも使えます。

これが「制限時間内で余裕を持って受かる技術」なのです。

短期間で一発合格するためには、合格するための技術を知り、同時に考え方まで変えていく必要があるのです。

本書ではそれらを余すところなく公開しています!

【もくじ】
第1章 落ちる勉強法と受かる勉強法、あなたはどちら?
第2章 インプットは2割! 10割極めようとすると落ちる
第3章 アウトプットは5割! 一発合格できるテクニック
第4章 事前準備が大事! 「受ける前に受かる」合格の条件
第5章 意外な真実! 普段のマインドが合否の分岐点となる

「徹底して「ムダ」を省くことができる考え方
いま現在勉強中のため、ワラにもすがる気持ちで購入。
がんばっていてもいまいち成果が出なかった私自身、本の中にあったやめるべきことをたくさんしていました。
この本の手法は試験勉強だけでなく、人生の様々な場面で応用できると感じ
この方法はありだと思いました。なにしろ私自身、難解な問題を目の前にして
何時間もその問題を解く方法を考えながら思い悩むタイプだなと・・・。
それらをやめて本書のBさんの勉強の仕方にチェンジしていこうと思いました。」

ネットの声

「丁寧に説明してくれる授業なら予習はいらない。生徒側にとってはそれが望ましい。でも進学校の場合はとても授業スピードが速く、初めて聞く内容だと一般人は授業のなかで理解が追いつかない。学校も予習ありきの授業をする。予習していかないと無駄な時間を過ごすことになる。予備校と学校では違うだろうが、授業内容に合わせて勉強スタイルを変えないといけない。」

「試験で点数をとるのが目的ならそうでしょう。試験に出そうな所だけを効率よく覚えるのが一番。でもその科目を総合的に学ぶことを目的とするなら、予習で内容を一通り読んで概要を掴んでおくことは重要だと思う。」

「確かにそうかも。予習は非効率。人から習うのは予習を省くためとも言える。先入観で間違った概念をもつリスクもある。」

 

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