あるヤクザの生涯 安藤昇伝 石原慎太郎 (著) 幻冬舎 (2021/5/12)

最大の武器は知力と色気、そして暴力!

特攻隊員、愚連隊、安藤組組長、映画俳優……

昭和の一時代、修羅に生きた男の激動の生涯をモノローグで描ききる圧巻のノンフィクションノベル!

あんた『雪後の松』という詩を知っているかい。昔、ある坊主から教わったんだ。『雪後に始めて知る松柏の操、事難くしてまさに見る丈夫の心』とな。男というものは普段の見かけがどうだろうと、いざと言う時に真価がわかるものだ。松の木は花も咲かず暑い真夏にはどうと言って見所のない木だが、雪の積もる真冬には枝を折るほどの雪が積もっても、それに耐え、青い葉を保っている。それが本物の男の姿だというのだ。/俺はこの詩が好きなんだ。 (「長い後書き」より)

「中盤の「暴力装置」の発露と化した安藤昇を描くこの作品には、ジェイムズ・エルロイの描く暗闇の中、「日本」を睥睨し続けるデイヴィッド・ピースの眼を想起させ、ボストン・テランが醸し出すような暴力によって「無」(ナーダ)と化した時代の現在のこの国には決して存在することのない<叙情>をも生み出していはしないかと思ったりもしました。」


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事