念力恋愛 笹公人(著), 水野しず(イラスト) 幻冬舎 (2020/10/8)

「あの夏の石段の上僕の背を押した少女よ どうしてますか」

「ラブレターは死語か否かで華やいだ吉祥寺デニーズ跡地ながめる」

「修学旅行で眼鏡をはずした中村は美少女でした。それで、それだけ」

ひっそり恋しく思い輝く108の星団怪しくも艶やかに微笑む40の恒星

短歌界の異才・笹公人×アート界の鬼才・水野しずによる、短歌と創作(妄想ラブレター)とイラストの、「念力恋愛」ワールド。

憧れの山田先輩念写して微笑む春の妹無垢なり
うっとりと「別れの曲」を弾いている男子生徒の背を椅子にして
古本の少女漫画にはさまれし郵送未遂のレター哀しき
ケイタイがつながらぬ夜はいつのまにプラス思考の本読んでいる
あの夏の石段の上僕の背を押した少女よ どうしてますか
指切りの指のほどけるつかのまに約束蜂の針がきらめく
ふられ男(お)の激しき無念吸い取ってますます冴えるきみの美貌は
星占いのページに見入る少女たち思われニキビにクリームのせて
色褪せたプリクラ纏い思い出の蛹のような「写ルンです」は
マドンナの脇毛さやかになびきたる二十年(はたとせ)前の夏期講座あわれ

「妄想短歌と妄想ラブレター、報われない恋愛なのに大爆笑!泣き笑いが止まらない。」

「笹公人の念力シリーズ最新作「念力恋愛」は、水野しずのイラストと相まって破壊力ヤバし!これまでの名歌の解釈が根底から覆された。これは「歌集」名を纏った、お化け屋敷やジェットコースターのようなアトラクション。「短歌エンタメ」です。短歌の可能性はどこまでも自由。すばらしい。」

「笹氏の鬼才とも言える才能は以前より承知していたが水野氏の絵がそれを凌駕するほどに凄かった。《やばい》という表現が最もマッチしているだろう。ふたつの才能の衝突による奇跡のスパークを見た。巻末の石黒謙吾氏の解説に「火鍋にカツカレーをぶっ込んだら天ざる」のような質感の本にしたかった、との記述があるが、まさにその様な本になっていると感じた。」


(クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

念力恋愛 [ 笹 公人 ]

楽天で購入

 

 

おすすめの記事