岡田准一主演で実写化『イクサガミ』の注目ポイントは? 

今村翔吾の一大スペクタクル時代活劇を読む

今村翔吾の人気シリーズ『イクサガミ』が、先日発売された『イクサガミ 神(しん)』(講談社文庫)をもって、堂々の完結を迎えた。

そう、今年11月に世界同時配信されることが発表されている、岡田准一主演のNetflixシリーズ『イクサガミ』の原作小説だ。

これまで「天」「地」「人」の3冊で描き出されてきた一攫千金のデスゲーム「蟲毒(こどく)」は、その最終目的地である新都・東京で、どのような結末を迎えるのだろうか。

そして、最後まで生き残るのは、果たして誰なのか?

シリーズ完結でNetflixで11月世界同時配信

累計50万部を記録しているという本シリーズの「面白さ」は、まず何よりもその「設定」にあるのだろう。

物語の舞台となるのは、明治11年(1878年)。西南戦争翌年の混乱した時代だ。

「武技に優れたる者、参集せよ。金十万円を得る機会を与える」という怪しげな告知(巡査の初任給が4円の時代だ)を受けて、京都の天龍寺に集まった「腕に覚えのある」者たち。

その数、実に300近く。

彼/彼女たちは、「蟲毒」と呼ばれるゲームに参加することになる。

参加者たちの首に掛けられた木札を、お互いに奪い合いながら、東海道中のチェックポイントで求められる規定の点数を満たしつつ、京から遥か東京の地を目指すというのだ。

292人の参加者たちに与えられた木札は、それぞれ1点ずつ。

寺を出るためにはまず2点、次のチェックポイントを通過するためには3点、5点、10点……最終目的地である東京に入るためには、30点が必要とされる。

そこで何が起こるかは、察しの通りである。

殺し合いのデスゲームの始まりだ。

しかし、細かく刻まれた各地点の規定点数は、状況に応じた参加者同士の「共闘」を可能にする(木札の受け渡しは許可されている)。

点数を無駄にしなければ、単純計算で9人もの参加者が、東京入りすることだって可能なのだ。

無論、「共闘」があれば「裏切り」もあるだろう。

デスゲームより面白い過去と因縁

とはいえ、そんな「デスゲーム」としての設定の「面白さ」もさることながら、本シリーズのいちばん「読みどころ」は、次第に頭角を現していく参加者たちそれぞれの「過去」と「因縁」にある。

本作の主人公である嵯峨愁二郎は、「元・郵便配達員」ということになっているが(この設定も、実は非常に重要なのだが……)、幕末の時代においては「人斬り刻舟」の名で知られる剣客だったのだ。

それどころか、彼はかつて、「京八流」と呼ばれる「秘剣」の相伝候補のひとりとして、名前に数字を与えられた義兄弟たちと共に、厳しい修行の日々を送ってきたのだ(そして、そこから逃げ出した?)。

ちなみに、彼の奥義は、舞踊のように軽やかに舞い敵を翻弄する「武曲」だ。

やがて彼は、「蟲毒」の中で、「破軍」「文曲」「貪狼」など、北斗七星の名を冠したそれぞれの奥義を習得した、かつての義弟妹たちと再会することになるのだった。

細かくルールの定められた「デスゲーム」ということで、その大枠としては『バトル・ロワイヤル』や『イカ・ゲーム』といった作品を彷彿とさせつつも、幕末から明治へという時代設定的には『るろうに剣心』を想起する者もいるだろう。

あるいは、まるで「柱」のように「京八流」それぞれの奥義を繰り出す剣士たちという意味で、『鬼滅の刃』を引き合いに出すことも可能だろう。

そもそも愁二郎が、参加者の中では最弱とおぼしき少女・双葉と出会い、彼女を守るように(やがて、彼女に導かれるように)行動を共にしながら死地を切り開いていくという設定自体、『無限の住人』のようでもある(「無骸流」のような破天荒で残酷な剣士も登場する)。

あるいは、『ゴールデンカムイ』の杉元とアシ?パのような……そう、「蠱毒」の参加者には、「カムイコチャ」と名乗るアイヌの男もいるのだ(ちなみにイギリス人もいる)。

とにもかくにも、「面白さ」がすし詰め状態のスピード感溢れる一大スペクタクル時代活劇――それが『イクサガミ』なのだ。

間違いなく面白い

今村作品ということで、歴史ファンの興味を掻き立てる数々の「仕掛け」も、その随所に用意されている。

「蠱毒」の開催中に(!)襲撃される大久保利通、そんな大久保の信頼も厚い「日本近代郵便の父」前島密、「日本警察の父」と呼ばれる川路利良、西南戦争で命を落としたはずの桐野利秋(中村半次郎)らは、この常軌を逸した大規模なデスゲーム「蠱毒」と、どのような関わりがあるのだろうか。

ことほどさように、9人(!)の参加者が東京入りを果たしたところからスタートする『イクサガミ 神』。

彼/彼女たちは、それぞれ別の場所で目覚めることになる。

最終ゴール地点は、浅草・寛永寺だ。

しかし、そこには新たな障害と困難が待ち受けているのだった。

無事、寛永寺・黒門前に辿り着くのは誰なのか――は、もちろんのこと、そもそも「蠱毒」を仕掛けた黒幕とは、果たして誰なのか。

そして、その本当の目的とは。さらには、「京八流」と敵対する、謎の剣術「朧流」の使い手である最強の老剣士・幻刀斎の正体とは。

意外な人物の裏切りと対決、ここへ来てクローズアップされる最凶の剣士……そして、本作のタイトルである「イクサガミ=戦神」の意味するところとは。

数々の「謎」が、この一冊の中で、次々と解き明かされることになるのだ。

ちなみに、個人的には今のところそこまでの違和感はないので、本作の主役である嵯峨愁二郎=岡田准一をはじめ、愁二郎の義妹・衣笠彩八=清原果耶、義弟・化野四蔵=早乙女太一、元伊賀忍者・柘植響陣=東出昌大、カムイコチャ=染谷将太、「蠱毒」のスポークスマン「槐(えんじゅ)」=二宮和也など、すでに発表されているNetflixシリーズのキャストをイメージしながら読み進めるのも一興だろう。

そもそもリーダビリィの高いスピーディな展開が持ち味の本シリーズの物語が、より一層脳内で鮮やかに浮かび上がること請け合いだから。

そして、本作の読後の余韻に浸りながら、実写版『イクサガミ』の始まりを、心より待ちたいと思う。

これは、間違いなく面白くなりそうだ!

ネットの声

「情熱大陸を2週に渡って見ました。プロとして追求して日本の時代文化を世界に認めさせる揺るぎない試練にも鍛錬にも夢を忘れない素晴らしい。」

「小説読んでみてスッゴく面白かったです!!今年の楽しみです!!」

「神 読み終わりました!映像化楽しみすぎる」

「原作はまだ完結まで読んでいませんが、実写はすごいね」


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