海をゆくイタリア 内田洋子(著) 小学館 (2021/9/7) 726円

イタリア半島を帆船で巡った宝物のような旅

「かつて古代の戦闘船が、貿易船が、漁船が、旅客船が周遊したように、新緑のすばらしい季節に風に吹かれてイタリア半島を巡る旅に出てみようではありませんか」

縁あって美しい木造帆船《ラ・チチャ》号の共同船主になった著者が描く、宝物のような航海日誌。

サンレモ、ポルトフィーノ、カプリ、パレルモ、タオルミーナ、ヴェネツィア……イタリア半島を海から巡った初夏から秋にかけての140日間を、旧友らとの親交、食、歴史、自然などのエピソードを交えて豊かに綴る。

「舳先が切る波は、金粉を撒き散らすように輝きながら船の両側に跳ねている。そのきらめきのひとつひとつが無数の命の証なのだ」

「船は、現在と過去の波間を揺れている。現実に近づきながら、それは実は異次元への旅の始まりでもある」

「獲れたてのカジキマグロの稚魚を三枚に下ろし、生のまま塩とオリーブオイル、少々のレモンで和えたウイキョウと小ぶりのトマトのざく切りを合わせて食べた。目の前に広がるのは、海」
(本文より)

こんな時代だからこそ海風を浴びる旅に出たくなる一冊。

解説は法政大学特任教授の陣内秀信氏。


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