知られざる、日本的大衆娯楽競馬発展の歴史
20歳以上であれば誰もが100円から楽しめる日本の大衆娯楽競馬。
明治日本の欧化政策とも深く結びついていたその歴史は忘れられ、主に軍馬育成の観点からあわせて論じられることの多かった日本競馬史を様々な史料を駆使しなら刷新する画期的な論考。
とくに競馬興行主と陸軍との駆け引きや宮内省と陸軍の利権をめぐるせめぎあいなど、賭博が本質であるがゆえに詳しく論じられることのなかったリアルな物語を追体験できる書斎の競馬本。
今週ついに無事発売になった『近代日本の競馬―大衆娯楽への道』。著者の杉本竜氏は桑名市博物館の館長で、とてもユニークな研究者でもあります。
競馬と軍馬をからめた史書はずっと前から作りたいと思ってましたがうまくいかず、今回杉本氏と出会えて書き下ろし原稿を形に出来、本当に感謝しています。 pic.twitter.com/dqlb4Vw5l6— 山口泰生@創元社 (@sogensha_yy) June 18, 2022
【主な目次】
序章 「競馬」によって「軍馬」は改良されるのか
第1章 近代競馬の始まり
第2章 藤波言忠と臨時馬制調査委員会
第3章 明治末期の馬券黙許
第4章 馬券禁止と景品券競馬
第5章 競馬法の成立
第6章 大衆娯楽としての競馬
第7章 外地競馬の実態
第8章 地方競馬の展開
第9章 日本陸軍と競馬
第10章 鍛錬馬競争と戦前競馬の終焉
おわりに
主要参考文献
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