
映画館で人気のないゾンビ映画を観ていた警視庁捜査一課の刑事、和戸宋志。
終幕後に照明が点くと観客の一人が殺されていた。
おまけに扉に細工されて出られない。
困惑に包まれる中、和戸は感じていた。
その場に居合わせた者たちの推理力を飛躍的に高める能力、「ワトソン力」が発動しつつあることを……。
そしてにぎやかな推理合戦の幕が上がる!
日本推理作家協会賞受賞作家が贈る、謎解きの楽しさ100%の連作ミステリ!
周囲の人間の推理力を飛躍的に高める「ワトソン力」を持つ刑事・和戸が主人公の連作短編シリーズ第二弾である。
前作を未読でも問題ないが、既読の方は本作のタイトルを見て思わず笑みが浮かんだのではないだろうか。
収録作は7話で、今回も和戸の能力は顕在。ヤクザの事務所やローカル電車内、MRゲーム会場などで、ワトソン力に影響された〝にわか〟名探偵たちが笑いあり驚きありの推理合戦を行う。
各話短いながら、二転三転する謎解きは技アリで楽しい。自らではなく周囲を名探偵にしてしまう助手、やはり唯一無二の存在である。
大山誠一郎『にわか名探偵 ワトソン力』(光文社)読了。
事件発生、即、推理合戦という同じ展開の連作集でもマンネリにならないのは、突拍子もないクローズドサークルの設定で我も我もと推理を披露する容疑者たちがユーモラスだからだ。推理合戦も単なる推理の羅列ではなく、捻りが効いている。 pic.twitter.com/7Mtvx4BCUT
— かず (@00kazu7) June 2, 2024
「大山誠一郎作品の中でも最もリアリティレベルが低く、純粋にロジックの妙を味わうことができるパズラー短編集。すべての短編タイトルがなんらかの先行作品のもじりになっていることからもわかる通り、前作よりさらにコメディに振り切っており、エラリー・クイーン好きのヤクザ組長が大活躍する「ニッポンカチコミの謎」は白眉。毎回殺人は起きるが深刻さはゼロ。不可解殺人を成立させるギミックも凝りに凝りまくっていて、なぜこんな変な要素が話に必要だったのだろうと考えながら再読するのがまた楽しい。」
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