赤と青とエスキース 青山美智子 (著) PHP研究所 (2021/11/10) 1,650円

2022年本屋大賞 ノミネート。

2021年本屋大賞2位『お探し物は図書室まで』の著者、新境地にして勝負作。

メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画(エスキース)」。

日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――。

二度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。

●プロローグ

●一章 金魚とカワセミ
メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。しかしレイは、留学期間が過ぎれば帰国しなければならない。彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……。

●二章 東京タワーとアーツ・センター
日本の額縁工房に努める30歳の額職人・空知は、既製品の制作を淡々とこなす毎日に迷いを感じていた。そんなとき、十数年前にメルボルンで出会った画家、ジャック・ジャクソンが描いた「エスキース」というタイトルの絵画に出会い……。

●三章 トマトジュースとバタフライピー
中年の漫画家タカシマの、かつてのアシスタント・砂川が、「ウルトラ・マンガ大賞」を受賞した。雑誌の対談企画の相手として、砂川がタカシマを指名したことにより、二人は久しぶりに顔を合わせるが……。

●四章 赤鬼と青鬼
パニック障害が発症し休暇をとることになった51歳の茜。そんなとき、元恋人の蒼から連絡がくる。茜は昔蒼と同棲していたアパートを訪れることになり……。

●エピローグ
水彩画の大家となったジャック・ジャクソンの元に、20代の頃に描き、手放したある絵画が戻ってきて……。

著者について
1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。
大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。
第28回パレットノベル大賞佳作受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。『お探し物は図書室まで』が2021年本屋大賞2位に選ばれる。他の著書に『猫のお告げは樹の下で』『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』『月曜日の抹茶カフェ』など。

「本書を読み終えた後、表紙の水彩画をもう一度横から見て欲しい。手に取った時はわからなかったが、本を横から見ると小さく桜の木が描かれているのがわかる。この小さな木から新たなスタートをして欲しいと願いをこめているように感んじてならない。著者は、そのような細かいところも大切にしている。」


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事