ブレグジットの日に少女は死んだ イライザ・クラーク (著), 満園真木 (翻訳) 小学館 (2024/7/5) 1,408円

英国で話題の疑似ノンフィクション犯罪小説

2016年6月、EU離脱を問う国民投票が行われた日、ヨークシャーの海辺の寂れた町で、16歳の少女が暴行を受けた上にガソリンをかけられ焼き殺された。

犯人は同じ高校に通う16歳と17歳の少女3人だった。

ジャーナリストのカレリは事件の地に居を移して背景を取材し、被害者・加害者の生い立ちから事件に至るまでをまとめたノンフィクションを発表した。

しかし、取材を受けた者たちから本の内容に誇張や曲解、捏造があるとの訴えが寄せられ、違法な取材手法も発覚、本は回収に。

凄惨な事件が起きるまでに少女たちに何があったのか、そしてノンフィクションの内容は真実なのか――。

「グランタ誌の選ぶ最優秀若手作家」の一人イライザ・クラークが、T・カポーティ『冷血』にオマージュを捧げた衝撃の疑似ノンフィクション型犯罪小説。

ごく普通の少女たちが怪物になるまでをリアルに描き、悲劇すら消費してしまう現代社会を告発したディラン・トーマス賞候補作。

ブレグジット(英国のEU離脱)を問う国民投票の日に海辺の過疎地で起きた少女3人による16歳の少女暴行殺人事件は、大きく報じられることはなかった――。

本作は、この事件を取材したジャーナリストによるノンフィクションを作中作とし、そのノンフィクション本に問題が発覚し回収される顛末も描いた二重構造のクライムノヴェルです。

SNS、ポッドキャスト、シリアルキラーファンダムのネットコミュニティ、オカルトといった要素を用いて描かれたノンフィクションパートでは、少女たちの小さな敵意がじわじわと肥大化し、やがて「怪物」となってしまう過程がリアルに描かれます。

一方、その作中作=ノンフィクション本をめぐる回収騒動の描写には、ひょっとすると自分事として胸のうずきを覚える方もいるかもしれません。

遠い国の特殊な事件を描いた作品――果たして読み終えた後にそう言い切れるのか。

ぜひ、お手にとって確かめていただければ幸いです。


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