
なんでもない透明なものになるの中高一貫の女子校で相次ぐ女生徒の墜死『活版印刷三日月堂』シリーズの著者が少女の心理を鮮烈に描いた長編ミステリ
「なんでもない透明なものになるの」夏休みが明けてすぐ、次いで年が明けた冬の日に、少女が校舎の屋上から墜落死する。
ふたりは中高一貫の女子校で美術部に所していた。時を置かずして、学園では三度目の墜死が。
遺された未発表の小説、アルファベット・ビスケット、密室殺人、そして「ヘビイチゴ・サナトリウム」──少女たちの心理のゆらぎを鮮烈に描出する長編ミステリ。
著者あとがき=ほしおさなえ/解説=笠井潔、久美沙織
ほしおは今年5月にデビュー30周年を迎えます! ちょうどそのタイミングで初めて本になった作品『ヘビイチゴ・サナトリウム』の新版が出ることになりました。少し早いのですが、帯の裏に「30周年記念」の文字も入れてもらいました。装画は大好きな田川蕩さん、装丁はアルビレオさんです。
内容は・・・… pic.twitter.com/7brkfhgF8F— ほしおさなえ (@hoshio_s) February 8, 2025
「手探りで生きる女子高校生の繊細であるがゆえに負ってしまう傷。現代の若い世代の心の闇を垣間みた気がしました。と同時に、事件の真相 に挑む危険と隣り合わせの好奇心や行動力に、ハラハラドキドキしました。きっと彼女達の柔軟な考え方に魅了されるはず。是非読んで見てください。」
「2003年に出た単行本の文庫化。もともと大下さなえの名前で純文学作家として活動していた著者。本書は、ミステリ作家としてリスタートを切った作品に当たる。もともとデビュー前に没にしたアイデアを、ミステリ風に書き替えたものだという。雰囲気的にも、そういう感じが濃厚に漂っている。中途半端というか・・。
ポール・オースターをお手本に、物語の構造の部分にトリックを仕掛けたミステリ。手が込んでいるし、真相と思われたものが次々とひっくり返されていくのも面白い。ただ、それが一方では分かりにくさ、説得力のなさにつながってしまっている。これが真相だと言われれば、ああ、そうですかとは思うのだが、どこか納得できないものが残る。
また、青春ミステリの傾倒ではないので、そういうのを期待している人には向かないだろう。」「女子高生と言う今時風の言葉でつづられた世界が懷かしくて、ここに登場する女子高生逹に感情移入してしまいそうになるのは、古くて懷かしい感覚に裏打ちされているからでしかないわけだ。
読んでいる間は面白い、淡泊なミステリー部分も、だからこそ本格や推理小説を軽くどうでも良いものとして扱っている感覚が伝わってきて心地良い。」
|
|



