知って楽しいカモ学講座 嶋田哲郎(著)、森本元(監修) 緑書房 (2021/10/7) 2,090円

カモ、ガン、ハクチョウのせかい

野鳥観察において、冬の水鳥の主役ともいえるガンカモ類(ガン・カモ・ハクチョウ類)。

ガンカモ類の一大飛来地、宮城県の伊豆沼・内沼で、30年間、観察・調査・研究を続けてきた「ガンカモ博士」が、それぞれに個性的なガンカモ類の生態、渡り、保全に関する情報までわかりやすく解説。

【本書のポイント】
・30年間ガンカモ類を調査・研究してきた著者が、その生態と魅力を愛情たっぷりに紹介。
・冒頭の口絵には、カモ類、ガン類、ハクチョウ類に分けて多くのカラー写真を掲載し、それぞれを識別するためのワンポイントアドバイスも付記。
・最新の研究により、明らかになってきた渡りの移動経路などの情報をわかりやすく解説。
・フィールドでガンカモ類を長年見守ってきた著者だからこそ語れるエピソードを、貴重な写真とともに掲載。
・「氷の上でハクチョウは足が冷たくないの?」「オシドリは本当に夫婦円満?」「アヒルって何モノ?」など、ガンカモ類にまつわる面白雑学を多数紹介。
・気候変動や人のライフスタイルの変化とガンカモ類の生態との関係や、ガンカモ類の生息環境を保全する活動についても紹介。
・ガンカモ博士直伝の鳥のカウント法、鳥たちの行動調査のコツを公開。知れば観察がもっと楽しくなる!

【目次】
本書に登場するガンカモたち(口絵)
第1章 ガンカモ類とは
第2章 ガンカモ類に特徴的な形態と一年の暮らし
第3章 ガンカモ類の渡り
第4章 繁殖地での暮らし
第5章 越冬地での暮らし
第6章 環境変化の指標としてのガンカモ類
第7章 ガンカモ類の保全
第8章 モニタリングの実際
おまけ ガンカモ類を調べてみよう!
もっとよく知りたい方へ (参考文献)

著者について
【著者】嶋田 哲郎
(公財)宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団 研究室長
1969年東京都生まれ。1992年東京農工大学農学部環境保護学科卒業、1994年東邦大学大学院理学研究科修士課程修了。1994年宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団研究員に着任。2006年マガンの越冬戦略と保全をテーマに、論文博士として岩手大学より博士(農学)号を取得。2020年より現職。専門は鳥類生態学、保全生態学。ガンカモ類を中心とした水鳥類の生態研究のほか、オオクチバス駆除や水生植物の復元など沼の保全、講話や研修会、自然観察会など自然保護思想の普及啓発に取り組む。2013年愛鳥週間野生生物保護功労者日本鳥類保護連盟会長褒状受賞。著書に「ハクチョウ 水べに生きる」(小峰書店)、「鳥の渡り生態学」(分担執筆、東京大学出版会)など。

【監修者】森本 元
(公財)山階鳥類研究所 研究員、東邦大学 客員准教授 他
1975年新潟県生まれ。東邦大学大学院理学研究科修士課程を経て、2007年立教大学大学院理学研究科博士後期課程修了。博士(理学)。立教大学博士研究員、国立科学博物館支援研究員などを経て、2012年に山階鳥類研究所へ着任し2015年より現職。専門分野は、生態学、行動生態学、鳥類学、羽毛学など。鳥類の色彩や羽毛構造の研究、山地性鳥類・都市鳥の研究、バイオミメティクス研究、鳥類の渡りに関する研究を主なテーマとしている。著書に『フクロウ大図鑑』『世界の渡り鳥大図鑑』(いずれも監訳、緑書房)、『ツバメのひみつ』『ツバメのせかい』(いずれも監修、緑書房)、『鱗の博物誌』(分担執筆、グラフィック社)、『遺伝子から解き明かす 鳥の不思議な世界』(分担執筆、一色出版)がある。

「写真や図解をふんだんに使い最新の研究成果をわかりやすく教えてくれます。単に生態学的な知見だけでなく、農業被害対策、ドローン調査による忌避行動など多岐にわたるテーマが取り上げられています。夜行性のカモがいること、ガンカモ類にも托卵があることは驚きでした。一部改善を求めたい点。渡りの章でハンカ湖が文章中に出てきますが、図には詳しく示されていないので「どこら辺だ?」となりました。図5ー20は見方がよく分かりませんでした(IDは分かりますがNとは?)。非常に内容の濃い読み応えのある一冊です。」

「かわいいカモ・ガン・ハクチョウを眺めるのは、寒い冬の楽しみのひとつ。その楽しみを何倍も大きくしてくれるのがこの本!!学術研究とカモ達への愛情によって明らかになったカモ達の暮らしの秘密が、本の端から端まで、これでもかとつまってます。同じハクチョウでも生活環境で顔つきが違うことや、オナガガモが20年以上生きること、親カモが自分の胸の綿羽をぬいて巣にしきつめること…etc、図鑑にはのっていないことばかりです。また、沼の植物や魚との関係、農業との関係についてもたくさん取り上げられていて、人も含めた生きもの同士のつながりが実感できます。タイトル通り「知って楽しい」カモ学講座、ホントにおすすめです!」

「「知って楽しいカモ学講座」というタイトルのように、学術的な専門用語も少なく、何方でも分かりやすく楽しめる内容です。カモやガン、ハクチョウの世界をこの本で知ることにより、実際の観察は今よりもっと楽しいものになると思います。」


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