10年前、恋人であり、患者であった沙耶が自殺した。
心理カウンセラーである悠木文月は、最近になって、彼女の叔父が同じ方法で命を落としたことを知る。
止まったままだった時間を動かすため、文月は彼女と叔父の関係性、自殺した動機を追い始めた……。
【目次】
第1話 雨季の終わりを告げる妖精
第2話 探していた答え
第3話 知らないほうがよかったこと
第4話 陽炎に揺れる街
第5話 認知的不協和理論の代償
第6話 光が沈む場所
第7話 冬の太陽と闇に浮かぶ月
第8話 人を幸せにする資格
第9話 死んで当然の男
最終話 僕とみかん
平沼正樹先生の新作、『僕たちの正義』が4/15に発売されました。既刊の『しねるくすり』や『いきるりすく』に出てきたキャラクターも登場し、その成長が窺えます。また、今作品は心理学をテーマとして話が書かれており、心理学を物語と共に学ぶことができます。#平沼正樹 #僕たちの正義
— 変わり果てた町e (@modoranai_machi) April 18, 2021
著者について
1974年生まれ。神奈川県小田原市出身。帝京大学文学部心理学科卒業後、アニメーション製作会社スタジオ4℃へ入社。2005年にウェルツアニメーションスタジオを設立し、日本初となる3Dアニメーション『アルトとふしぎな海の森』を監督。その後、オーディオドラマレーベルを発足し『キリノセカイ』(角川文庫より小説化)、『さくらノイズ』『盗聴探偵物語』『マネーロード』など数々の作品をプロデュース。2019年「しねるくすり」で第6回「暮らしの小説大賞」を受賞し、『しねるくすり』(ダイスケリチャード/画 産業編集センター/刊)として上梓。他に『いきるりすく』(ダイスケリチャード/画 産業編集センター/刊)がある。現在は株式会社ウェルツアニメーションスタジオの経営と、小説の執筆に専念している。
「さわやかで穏やかに流れる時間の中で徐々に暗雲が立ち込めていく。現在と死んだ恋人との過去が同時に進んでいき、二つの物語が重なる。その重なりに思わず共感してしまう。だが実は決して共感してはならない物語ではないだろうか。一気に読めるが読後に考えさせられる作品でした。」
|