小隊 砂川文次 (著) 文藝春秋 (2022/5/10) 836円

ロシア軍が北海道に侵攻。

元自衛官の芥川賞作家による衝撃作。

自衛隊の3尉・安達は敵を迎え撃つべく小隊を率いて任務につく。

避難を拒む住民、届かない敵の情報、淡々と命令をこなす日々――。

そんな安達の〝戦場〟は姿を現したロシア軍によって地獄と化す。

軍事描写のあまりのリアルさに話題となり、
専門家をも唸らせた『小隊』に
デビュー作『戦場のレビヤタン』を合本して文庫化。
「ブラックボックス」で第166回芥川賞を受賞、
元自衛官という異色の経歴をもつ作家が放つ、
衝撃の戦争小説3篇。

著者コメント

『小隊』を書いている時、私はある言葉だけは
絶対に使わないようにしようと決めていました。
その言葉は、それ自体が持つ重みに反して、
使えば使うほどに失われてしまう何かがある気がするのです。
その何かを、お読みいただくみなさまに感じていただければ幸いです。
――砂川文次

「ヒーローでもエリートでも特殊部隊でもない等身大の自衛隊員達が戦場に立つ姿が描かれています。状況がどうなっているかわからないなかで、家族や恋人あるいはSNSやソーシャルゲームが気にしたりするあたりは普通の人間と何ら変わりなく牧歌的でもあります。それでも舞台は戦場、仲間の戦死を目の当たりにしたり逃げ出す事を考えだしたりもするあたりは生々しさを感じさせてくれます。
一方で、作中は何が起こっているのかわかりにくいのが難ですね。政治家とか自衛隊の上層部あたりの描写がなかったりやロシア軍がなぜ侵攻してきたのかはわからないままでした。」

「釧路方面に上陸して侵攻するロシア軍を陸上自衛隊が迎え撃つ。スマホやコンビニが当たり前にある現代の日常の隣で、「西部戦線異常なし」の第一次世界大戦時と大差の無い白兵戦が繰り広げられるリアルさが恐ろしい。見慣れない熟語が多用され好みは別れると思うが、硬質な文体と具体的な描写に引き込まれる。信念や思想的な後ろ盾をもたず、仕事の一つとして軍人を選んだ自衛隊員が、実際の戦闘場面になったら最後まで闘うことができるのだろうか?」

「作者は実戦闘体験はないのでしょうが、実体験を元にしたような描写が素晴らしいと思います。近未来の戦争・紛争を題材にしたエンターテイメントの要素を含んだ小説とは、全く違います。実際に他国の軍隊が侵攻すると、このようなことがあるんだろうなと思わせる作品です。作者の自衛隊での体験が大きく作品に影響しているとは思いますが、勇者の視点ではなく、又戦争を指導的に遂行する立場でもない一般自衛官の目をとうして、あるかもしれない近未来を見せて頂きました。今後の作品を期待しています。」


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