上海灯蛾 上田早夕里 (著) 双葉社 (2025/3/12) 1,210円

1934年上海。

「魔都」と呼ばれるほど繁栄と悪徳を誇るこの地に成功を夢見て渡ってきた日本人の青年・吾郷次郎は、原田ユキヱと名乗る謎めいた女から極上の阿片と芥子の種を預かる。

次郎は上海を支配する青幇の一員である楊直に渡りをつけるが、これをきっかけに裏社会に深く踏み入っていく。

行く先は栄光か、破滅か。

軍靴の響き絶えない大陸において、阿片売買による莫大な富と帝国の栄耀に群がり、灯火に惹き寄せられる蛾のように熱狂し、燃え尽きていった男たちの物語。

「権力闘争に巻き込まれ徐々に変わって行く人間性を、魔都上海のみならずアジアを舞台に描いた作品です。因果応報の一言で片付けることのできない結末です。台詞、内面描写、情景描写がとても繊細で何度も読み返したくなります。上海シリーズ前2作もまた読みたくなりました。」

「1934年から1945年の熱気。眩く輝く魔都、上海に惹きつられてきた蛾たち。そんな蛾を焼き尽くそうと燃え狂う炎。義と理を矜持に壮絶に生きる。それは権力と支配との闘い。義兄弟よ、自由な海へ。544Pのアツきピカレスクロマンは…。」

「日本軍と中国、そして秘密結社の青幇との危うい力関係や、戦時上海の様子が緊張感と臨場感たっぷりに描かれています。物語上欠かせない謀略や駆け引きなどもしっかり書き込まれ、抗争の果ての黒幕捜しは良質なミステリーを読んでいるようでした。序章からして哀しい結末が待ち受けていそうですが、日本人青年が運命に抗い、懸命に自らの人生を切り開こうとしたアクションノワール小説。」


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