生き物の死なせ方 共生・共存からはみ出した生物たちの社会学 渡邉悟史 (著) ナカニシヤ出版 (2025/3/3) 2,970円

マルチスピーシーズの裏側にあるオルタナティヴなアッサンブラージュを考えるために生き物たちの死を巡り逡巡しつつ深まる死体社会学的思考の軌跡。

冷凍死させられるアカミミガメ、プールで生きる交雑種オオサンショウウオ、アニマルシェルターで余生を過ごす猫、

1970年代の昆虫採集論争、

さまざまなかたちで駆除されるヤマビル。

「生態系」の管理や維持をはじめとするさまざまな要因により共存・共生を阻まれた生き物たちを人びとは、どのように死なせてきたのか?

彼/彼女らを死なせてきた、あるいはその死と向き合ってきた現場に丁寧なフィールド調査、文献調査などを通して迫り、

生き物の死体を常にポジティヴで有用なものとして役立てなければならないという潮流を再考に付しながら、

生き物たちの死そのものが私たち自身を揺さぶる「共振性」とどのように向き合い、どう関わり合うべきか、

明晰な語り口で理論的に探索する快著!

この本が主に焦点をあてるのは、現代社会における生き物の死なせ方についてである。

この生き物たちには脊椎動物もいれば、無脊椎動物もいる。そして生き物の死に方にさまざまに関わってきた人たち[…]のしていること、考えていること、感じていること、気を配っていることについて考えをめぐらす。「第1章」より

序 章 他の生き物との共生・共存を逆向きに考える
1 どんな死体と一緒にいたいか
2 本書の問いと「死なせる」という語について
3 本書の構成
4 付  記

第1章 アカミミガメは積み重なって死ぬ
1 はじめに
2 二つの立場から
3 カメを死なせること

第2章 交雑オオサンショウウオは廃校のプールで死ぬ
1 はじめに
2 オオサンショウウオの交雑問題
3 Q市の対応
4 野外調査から遺伝子鑑定まで
5 二つの死
6 死が呼び寄せるもの
7 おわりに

第3章 猫の死は公開される
1 はじめに
2 猫をめぐる政策
3 Z亭の概況
4 アニマルシェルターで行われていること
5 死にゆく猫
6 Z亭で死ぬこと
7 おわりに

第4章 この虫が滅びるならば、せめてこの手で
1 はじめに
2 日本における昆虫採集
3 昆虫採集批判の登場
4 昆虫採集の擁護論
5 二つの標本
6 おわりに

第5章 ヤマビルを殺す手ごたえ
1 はじめに
2 ヤマビルとは
3 講演会にて──ファーストコンタクト
4 防護柵の後(ろ)で
5 駆除の現場
6 おわりに

第6章 生き物の死なせ方を考えるために
1 本書の問題設定再訪
2 基本概念
3 死と批判的ポストヒューマニズム
4 死体社会学的考察へ

第7章 私たちはどう死なせるか
1 共振性のコントロール
2 死の関与者たち
3 肯定的な死・死体
4 デザインに抗する死体と異なる死のデザイン

終 章 結 論

著者について
渡邉悟史(わたなべ さとし)

龍谷大学社会学部講師。博士(政策・メディア)(慶應義塾大学)。専門は地域社会学・人間動物関係論。著書・論文に『オルタナティヴ地域社会学入門――「不気味なもの」から地域活性化を問いなおす』(共編著)、「集落に生きた証を残そうとすること――ジグムント・バウマンによる「不安の社会学」を援用して」(『村落社会研究ジャーナル』 21巻2号、日本村落研究学会研究奨励賞)など。


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