千年のフーダニット 麻根重次 (著) 講談社 (2025/1/16) 2,200円

永き眠りを妨げる殺人者は誰だ――?

時を超えた”奇想”が爆発する――壮大無比な特殊設定ミステリ

若くして妻を喪い失意に沈むクランは、人類初の冷凍睡眠(コールドスリープ)実験に参加する。

さまざまな事情を抱えた男女7名は「テグミネ」という殻状の装置で永きにわたる眠りについた。

――そして、1000年後。

目覚めたクランたちはテグミネのなかでミイラと化した仲間の他殺体を発見する。

犯人は誰なのか。施設内を調査する彼らが発見したのは、さらなる“顔のない死体”で――

俊英が魅せる、本格ミステリの新たな地平。

著者について
1986年生まれ。長野県安曇野市在住。信州大学大学院で進化生物学を専攻し、その後現在まで公務員として勤務。2023年、『赤の女王の殺人』で島田荘司選 第16回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞。

千年のコールドスリープから目覚めたクランたち。7人のうち1人のミイラ化した他殺死体がコールドスリープの装置から、施設内の冷凍庫からは顔の潰された少年の遺体が発見される。様々な条件から不可能な犯罪にも思えた事件が、終盤で解き明かされる時、心地よいしてやられた感がありました。いくつものハードルを越えてその殺人を成し遂げたことは、犯人の被害者に対する憎しみの強さの現れなのか。千年後の世界で手探りで状況を把握し、新たに社会を構築しようとする人間の逞しさを心強く思いました。

事件発生までの紙幅は短く割かれており、序盤からミステリ好きとしての心をグッと掴まれ、作中の世界観にスッと入っていくことができた。面白いのは、“時間のクローズド・サークル”によってどこまで彼らの常識が通用するか定かでないということだ。また荒廃した外の世界へ繰り出す際には時間の神秘がSF小説や冒険小説として捉えることもできる。不可解にもつれた糸が解かれてホワイダニットが明らかになるや私は瞠目した。人類は千年を経て何を求め、あるいは培っていくのか。物語は終わるのではなく、始まっていくのだ


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

千年のフーダニット [ 麻根 重次 ]
価格:2,200円(税込、送料無料) (2025/1/17時点)

楽天で購入

 

 

おすすめの記事