問題社員の正しい辞めさせ方 新田龍(著)、安田隆彦(監修)、野崎大輔(監修) リチェンジ (2021/4/10)

労務トラブルにおいて最も深刻かつ件数も多い「退職」と「解雇」問題を、合法的かつ揉めることなく スムースに解決したいという底堅いニーズに応える本。

度重なる遅刻や欠勤、周囲と協調性がない、転勤拒否、職場外で事件を起こすなど、組織の秩序を乱したり、会社のブランドを毀損したりする問題社員は常に存在する。

一方で労働者の権利意識が高まり、個別労働紛争が増加していく中、問題社員への初期対応を誤ったため、重大な法的トラブルに発展し、会社の存続が危うくなる事態さえ少なくない。

さらに昨今は、問題社員が法律知識で理論武装し、証拠も確実に固めたうえでユニオン(合同労働組合)と協働して膨大な損害賠償を請求してくるケースや、各種メディアやインターネットを活用した風評被害などのトラブルにも発展している。

本書では実際に発生したトラブル事例を用いて、労働問題を専門とする弁護士監修のもと、合法的な解雇手法とトラブル対処法、そして予防法を網羅的に詳解する。

「現チーム内になかなか手のかかる社員がいます。中途で入ってきたため、年齢の近い社員にエルダーとしてついてもらっていたが、全く仕事を覚えない、遅刻が多いなど、彼ひとりでは手に負えなくなっていたため、参考にしたくて購入。
タイトルこそ「辞めさせ方」となっているが、問題社員への注意の仕方やコミュニケーションの取り方などが、具体例とともに丁寧に書かれています。このやり方をチーム内で共有して、本人の行動が改善されるかどうかをまずは試してみたいと思います。
また、どこからがパワハラになるのか、といった内容にも触れています。実際わたし含め、チーム全員がキツイ言い方をしてしまうとパワハラになってしまうんじゃないか、と恐れていたため、このあたりも共有して、チーム全体で適切な指導ができるようになれば、と感じました。
本書を読むと、辞めさせることがゴールなのではなく、真面目に働く人がきちんと活躍できる、真っ当な職場環境をつくることをゴールとする著者の熱い思いが伝わってきます。タイトルこそ少々衝撃的ですが、とても誠実な内容の本です。」

「焦らずに一つずつ丁寧に戦略的ステップを踏んでいくことで、リスクを最小限にして退職勧奨を成功させられることがよく理解できました。本書の内容は退職勧奨のハウツーだけにとどまりません。問題社員を発生させない組織作りのノウハウについてもしっかり言及されています。つまるところ、組織の問題なくして問題社員なし、ということなのでしょうね。」

「『問題社員の正しい辞めさせ方』。なかなか衝撃的なタイトルだ。ついに、こうしたタイトルの本が出る状況になったのだと痛感させられる。問題社員という層は一体いつからいたのか?恐らく最近になって急速に表れたのではなかろう。これまでは目くじらを立てる必要がなかったのだと考えられる。家族主義的な組織の中では、こうした社員も許容されていたという側面は否めない。社会は少しずつ不寛容になってきている上に、企業にもゆとりがなく、いよいよこうした社員を放置することが許されなくなってきている。雇用法制上、簡単には解雇できない状況下を鑑みれば、本書の登場も首肯せざるを得ないだろう。そして、その中身は妥当性があり、著者の誠実な人柄と丁寧な仕事ぶりに好感が持てる。問題社員となる前に、対処できるのが一番であろうが、それが叶わない際には、有用なアプローチであろう。」


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