捜査・浴槽で発見された手記 スタニスワフ・レム (著), 久山宏一 (翻訳), 芝田文乃 (翻訳), 沼野充義 (解説) 国書刊行会 (2024/3/11) 3,190円

イギリス各地の墓地にある死体安置所で奇妙な事件が起こる。

初めのうちは死体が姿勢を変えたというちょっとした出来事だったのだが、

やがて事件は死体が忽然と消えうせるという思わぬ事態へと展開する。

いずれの場合も、死体消失が起こるのは霧深い深夜から早朝にかけてのことで、犯人も動機もまったく分からない。

捜査の任を負ったスコットランド・ヤードのグレゴリー警部補が真相の解明に乗り出すが、真犯人につながる手がかりは見つからないまま捜査は難航を極める……

冬のイギリスを舞台に展開するメタ推理小説ともいうべき『捜査』、

3000年前、初期軌道探査遠征隊が持ち帰ったハルツィウス因子が、地球全体でパピル分解疫を引き起こした。

これによりすべての紙は分解され、地球文明は記録も知識も失って崩壊した。

未来の考古学者は長年の調査の末、ロッキー山脈の地層の下の巨大地下建造物〈第三ペンタゴン〉の遺跡から、

奇跡的に保存されていた1篇の手記を発見する。

『新第三紀人の記録』と題されたこの手記には、多層の迷宮のような建造物の中をさまよい歩く書き手の驚くべき経験が記されていた――

疑似SF的不条理小説ともいうべき『浴槽で発見された手記』、レムの多面性を示す2篇を収録。

【目次】
捜査
訳者ノート
浴槽で発見された手記

解説(久山宏一)
すべては暗号だ、暗号を解読せよ――『浴槽で発見された手記』訳者あとがき(芝田文乃)
解説 推理と不条理――SFに収まり切らないレム作品の多彩さ(沼野充義)


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