“バイクをホールドする”
バイクを安全に運転するための基本です。
コーナリングするときにアウト側の膝やくるぶしの内側で車体をホールドするとよく書いてあります。
このニュアンスがいまいちわかりません。
身体をしっかり固定しようとすると力が入りすぎてしまいます…。
目次
ホールドが必要な理由
上半身の肩や両腕、そして腰など、身体のどこかが力んでしまっているとバイクの自然な旋回能力を妨げてしまう…。
それが分かっていても、チカラを抜いた状態でコーナー手前のブレーキングで身体がシートの上を滑って前にいってしまうのをどう防いだらいいか、そしてコーナリングに入っても、不整路面で車体が揺れたり、加速をはじめたときの車体の姿勢変化に合わせて身体をグリップさせる方法はないのか……。
概略すると、これらがコーナリングで身体のホールドが必要になる理由です。
つまりバイクの曲がる機能を妨げず、無駄なチカラを入れずに必要最小限で身体を安定させるには、曲がろうとしているコーナーに対し、アウト側になる太股から足首など下半身の片側を使うのがもっとも効果的です。
ニーグリップの重要性??
前半はニーグリップなし
(横断歩道?通過?)
後半はニーグリップありバイクと一体化することで安定します?????#ニーグリップ#一本橋のコツ#スラロームのコツ pic.twitter.com/PeBfq1djqB
— 羽生モータースクール@指導員室 (@hanyu_mo) December 8, 2021
ホールドは太腿がシートから浮かない力加減で
コツはコーナーに対し下半身を拳ひとつ分イン側へズラします。こうすることで太股がシートに乗りやすくなります。そしてブレーキをかけることで減速Gがはじまったら、アウト側のステップを土踏まずで軽く前に蹴るような感じにして、腰が前に滑るのを防ぎます。
このときチカラが入り過ぎると、太股がシートから浮いてしまいます。あくまで太股がベッタリとシートに密着できているのを優先し、浮かないくらいのチカラの入れ加減だと思ってください。
↑くるぶしや膝を中心とするアウト側の下半身を使って、適切に身体を保持することができると、コーナリング全般が安定して行えるようになる。車体をホールドする際に、シート座面から体重が抜けない程度の力加減を意識するのが大事
アウト側下半身で身体をしっかり安定させる
またこの若干イン側へ腰がズレた姿勢のため、膝が燃料タンクに接しているはずです。
この膝がタンクから離れないよう、ステップを前に蹴るだけでなく、ちょっと外側へも蹴る感じでわずかに入力していると、下半身全体がバイクの面に接してズレにくくすることができます。
この状態は、リーンをはじめる瞬間の、身体の重心を下方向へズラす動きにおいても都合の良い状態をつくるので、ぜひ体得するようお薦めします。
脇腹の脱力や両腕から肩にも力みが残らないよう注意するのがポイントで、それほどこの下半身アウト側のホールドは重要な鍵を握っているのです。
そしてリーンしてから旋回がはじまってからも、この下半身アウト側のホールド状態を常に保ちます。
ここさえしっかりしていれば、コーナーの不整路面で車体が多少揺すられても、またスロットルを開けて加速状態へ移行しても、ライダーは上半身などで力むことなく耐えることができます。
イン側のステップに体重を乗せたり、腰で車体を捻るような外乱を与えないことが、スムーズで効率の良い旋回を可能にします。
イメージでいえば、下半身アウト側で身体全体を吊るすように支える(走行中は旋回Gが働いて上半身は何もしなくても釣り合っていますが)感じを維持するのが、すべてに安定をもたらす基本の姿勢、そう思っていただければ間違いないと思います。