もはや懐かしい? 昔のヘッドライトに「丸型」や「四角」が多いのはなぜ? LED採用で自由度が上がった結果とは
フロントフェイスは、クルマの印象を大きく変える重要な部分です。
かつてクルマのヘッドライトは丸く厚みがあるものや、四角い形状をしたものがほとんどでした。
なぜ、昔のヘッドライトはこのような形をしていたのでしょうか。
目次
昔のクルマのヘッドライトは丸型や四角型が多かった?その理由とは
フロントフェイスは、クルマの印象を大きく変える重要な部分です。
かつてクルマのヘッドライトは丸く厚みがあるものや、四角い形状をしたものがほとんどでしたが、なぜ、昔のヘッドライトはこのような形をしていたのでしょうか。
現在のシャープなヘッドライトになるまでの変遷を紹介します。
1980年代頃までのクルマは、丸いヘッドライトや四角いヘッドライトのクルマが主流でした。
たとえば、1955年に登場してから現在に至るまで高い人気を誇るトヨタ「クラウン」の初代モデルや、いまや日本を代表するスポーツカーとして知られる日産「フェアレディZ」の1969年に登場した初代モデルなどは、それぞれ丸型のヘッドライトを装備しています。
1977年に登場したマツダ「ルーチェ」(3代目)や、1978年に登場したトヨタ「セリカXX」は、四角いヘッドライトが特徴的なクルマです。
しかし、最近のクルマでは丸型や四角型のヘッドライトを見かける機会が少なくなりました。
昔のクルマとは対照的に、シャープなデザインのものが多くなってきています。
では、なぜ昔のクルマには丸いヘッドライトや四角いヘッドライトが多く装備されていたのでしょうか。
その理由について、ヘッドライトメーカーの担当者は以下のように話します。
「今でこそヘッドライトはLEDライトを採用していますが、昔のクルマはハロゲンヘッドライトやHIDランプを採用しており、それが主流になっていました。
ただこのハロゲンライトやHIDランプはライトの性質上、丸い形や四角い形しか制作することができないため、昔のクルマには丸型や四角い形状をしたヘッドライトが多く存在していたことが考えられます」
ハロゲンヘッドライトとは、窒素やアルゴンなどの不活性ガスとハロゲンガスを封入した電球のことです。
ハチミー個人的にドキドキしたクルマ⑦
トゥデイは丸目も角目も軽の中では多かった印象^ ^
C系は去年と比べて展示、駐車場でも全然見かけなかったなぁ…#ハチマルミーティング pic.twitter.com/yi7JuhTTAU— とど(とも) (@todo80sx) November 3, 2022
ヘッドライトの変遷
淡い暖色系の光で対向車にも優しいですが、明るさはやや劣るという特徴を持っています。
しかし、雨や霧のときの視認性には優れており、発熱量が多いためヘッドライトに付着した雪を溶かしてくれるといった役割も果たします。
ただし、寿命は約3年しかなく、定期的に交換しなければいけません。
とはいえ、ハロゲンヘッドライトはメンテナンスが楽にでき、電球の交換の工賃が安いというメリットがあります。
ハロゲンヘッドライトは、ライトの性能や技術、コストなどの関係から、複雑な形にせず丸い形や四角い形にするほうが合理的だったため、丸型や四角型のヘッドライトが主流となっていたのです。
その後、2000年前後には、HIDランプが普及していきます。
HIDランプとは、キセノンガスを封入した電球に電気を流すことで発光するもので、キセノンライトやディスチャージヘッドランプと呼ぶこともあります。
HIDランプの特徴は、非常に明るいことで、さらに寿命が長くおよそ5年以上持つとされています。
さらに、光のカラーバリエーションが豊富なところも魅力のひとつです。
しかし、点灯してから最大の光量になるまで数秒の時間がかかることや、構成されている部品が多く、メンテナンスするためには専門的な知識が必要になるなどのデメリットも存在します。
また、価格は高く設定されているため、一部の高級車や上級グレードモデルに採用されることが多く、広く普及するまでには至りませんでした。
TOYOTAがマイナーで丸目から角目に換えた最後のクルマが2代目セリカですね????
TOYOTAは運輸省が角型4灯式にOKを出すまで新型の発表を待つべきだったと思うくらいの変わりようですね~
私は圧倒的に角目のセリカが良いですね~
そもそもDesignも角目前提のDesignだったと思います?
丸目には無理が?? pic.twitter.com/AYlRwfPZLb— せんちゅりー☆S60?? (@century_s60) September 21, 2022
LEDライトの採用でデザインの幅は広く
一方、最近のクルマは、LEDライトを採用することが増えてきています。
LEDライトとは、発光ダイオードを使ったもので、白色や赤色、青色などさまざまな色に発光させることができるようになっています。
LEDライトのメリットは、寿命が約15年以上持ち、消費電力がおよそ20Wほどと少ないところです。
寿命が15年以上持つということは、新車で購入してから手放すまで交換せずに済むこともあるでしょう。
HIDランプのデメリットであった点灯までにかかる時間も早く、スイッチを入れてからほぼ同時に最大の光量となります。
前出の担当者によると、「LEDライトは、かつての主流だったハロゲンヘッドライトやHIDランプよりもユニットサイズを小さくできるようになったため、シャープなデザインを実現することも可能になりました」といいます。
このように、ライトの進化や技術の発展により、表現できるデザインの幅が広くなり、丸形や四角いヘッドライトだけでなく、シャープなヘッドライトも普及してきたのです。
LEDライトを採用することにより、ヘッドライトに個性を持たせたクルマもあります。
たとえば、2022年7月に公開されたトヨタの「クラウン」では、4つのボディタイプがありますが、そのすべてにLEDライトが使用されています。
とくに「クラウン クロスオーバー」では、左右のLEDヘッドライトユニットをつなぐ形で横一文字のLEDライトが採用され、これまでのフロントフェイスのイメージを大きく変えました。
LEDライトの登場により、デザインの幅が広がったため、フロントフェイスのあり方が進化してきたのです。
また、LEDライトが普及したことでヘッドライトだけではなく、テールライトのデザイン性も自由度が高まっています。
各ライトがクルマのデザインに与える影響は大きく、LEDの登場はデザイントレンドに大きく影響を与えています。
この時代、クルマのヘッドライトは【定形】とされる丸目大、丸目小、角目、
この3つを選ぶしか無かった。
贅沢な特別仕立てのスーパーカーだって定形を使う。それで当たり前で、カーデザイナーもそれが大前提でデザインした。
シトローエンGSのライトはガラス製の特別仕立てだったんだよ。 pic.twitter.com/WDOyThFaMe
— 宮尾岳 (@GAKUJIRA) April 29, 2021
一方、最近ではめずらしくなった丸形ライトや四角型ライトをあえて採用することでレトロな雰囲気やかわいらしい雰囲気を演出するクルマもあります。
たとえば、BMW「ミニ」やスズキ「ジムニー」は特徴的な丸い形のヘッドライトで、可愛らしくレトロで雰囲気のある印象を与えます。
いずれにせよ、ヘッドライトがデザインに与える影響はとても大きいと言えます。
今後、さらにヘッドライトの形はバリエーションが豊富になっていくかもしれません。
いすゞ・ワスプ コスト削減のためベレットとフロントマスクを共有する小型トラック。マイナーチェンジでベレットに倣って丸目から角目へ変更。ライバルのダットラの強さやディーゼルの騒音等もあり売れなかった。 pic.twitter.com/J4UQz8BROI
— 色々な自動車bot (@strange_car) October 7, 2022
ネットの声
「30年ほど前は、マイカーのウィンカーや尾灯の球切れは、カーショップで適合球を購入して自分で交換してました。ドアミラー(手動)を破損したときもディーラーで部品購入して自分で交換しました。ヘッドライトは幸い切れたことが無いのと、光軸調整が必要と知っていたので交換経験はありません。昨年、GSでブレーキランプ切れを指摘されたとき「自分で交換できますかね?」と聞いたら「今の車は分かりにくいよ」と言われ、定期点検間近だったのでディーラーで交換してもらいました。今の車はエンジンすら見えなくて少し寂しいです。」
「各ライトのメリットデメリットを挙げるなら、LEDのデメリットも挙げないと。長寿命が売りだけど、何らかの不具合や損傷で点灯しなくなった場合、基板から交換するしかなく個人では修理不可能で、修理費が非常に高額になること。昔のハロゲン球は切れても簡単に交換できたし値段も1000~3000円くらいでした。あと個人的にはLEDの光は光量が多い分、目に優しくない気がします。」
「丸や四角はハロゲンの前のシールドビームからの名残よね、汎用部品として扱えるのは大きなメリットだったと思う。FC3Sのシールドビームなんか、まずは解体屋に行ってH4バルブタイプの汎用角型ライトを入手してハイワッテージバルブ入れましたし、飛び石でバイクの角型ランプが割れた時もまずは解体屋、、そして、、、HIDで丸とか四角なんてほとんどなかったんでないかと。」