二百十番館にようこそ 加納朋子(著) 文藝春秋 (2020/8/5)

就活に挫折して以来ずっと、実家でオンラインゲーム三昧の日々を送る“俺”に転がり込んだ伯父さんの遺産。

離島に建てられた館を丸々一棟。

なんと無職から一転して不動産持ち、これからは課金し放題だ!と浮かれて現地を下見に行った俺…。

まだそれが両親からの最後通牒であることに気づいていなかった……。

「もう面倒見きれない。そこで一人で生きていけ」

いきなり始まった強制自立生活。

とにかく金銭問題を解決するべく下宿人を募ることに。

母親に送り込まれてきたニートのヒロ、無医島には是非とも呼び込みたい元医者ニートのBJさん、遊び人風のリア充・カインさん…。

ゲームの中にあった人間関係は、島のおじいちゃんおばあちゃんも巻き込んで、だんだんとリアルの世界へと広がっていく。

立ち止まっていたニートたちが、おっかなびっくり歩き出す前の「人生の夏休み」が青い空と海のもとで始まります!

「子供を自立させようとする両親に騙され,離島で一人暮らしをする羽目になったニートが,島の老人たちや,同じように島で生活をするようになったニート仲間との交流を通じて,成長していくというハートフルな物語。ミステリではなく一般小説?と思ったのだが,最後にミステリ的な謎解きを盛り込んでくるところも憎い。面白い作品でした。」


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