ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」
争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う
生き物たちは、驚くほど人間に似ている。ネズミは水に濡れた仲間を助けるために出かけるし、アリは女王のためには自爆をいとわない。
カケスは雛を育てるために集団で保育園を運営し、ゾウは亡くなった家族の死を悼む。
あまりよくない面でいえば、バッタは危機的な飢餓状況になると仲間に襲いかかり、動物園の器具を壊したゴリラは怒られるのが嫌で犯人は同居している猫だと示す・・・といったように、どこか私たちの姿をみているようだ。
シドニー大学の「動物行動学」の教授でアフリカから南極まで世界中を旅する著者が、好奇心旺盛な視点とユーモアで、動物たちのさまざまな生態とその背景にある「社会性」に迫りながら、彼らの知られざる行動、自然の偉大な驚異の数々を紹介。
動物や人間たちへの固定観念を打ち破る知的発見の一冊!
「オキアミからチンパンジーまで動物たちの多彩で不思議な社会から人間社会の本質を照射する。はっとする発見が随所にある」山極壽一(霊長類学者・人類学者)
「アリ、ミツバチ、ゴキブリ(!)から鳥、哺乳類まで、生き物の社会性が活き活きと語られてめちゃくちゃ面白い。……が、人間社会も同じだと気づいてちょっと怖くなる」橘玲(作家)
【書評、メディア情報】
☆日本経済新聞夕刊・書評掲載(2024/4/11)。「渡り鳥がVの字で飛行する際の驚くべき省エネ戦略や、ライオンの子殺しの真相など、次々と「動物のひみつ」が明らかになり、人間や動物の社会性って何なんだろうと考えさせられる。辞書のように分厚い本だが、あれよあれよという間に読み進んでしまい、感動の読後感が残った」(サイエンス作家・竹内薫氏)☆
☆東京新聞夕刊・書評掲載(2024/5/18)。「世界各地を旅してきた著者が動物界で行われている驚くべき生態を「社会性」の概念で詳しく解説。異文化を理解する手がかりを与えてくれる」☆
☆ダヴィンチWEB・書評掲載(2024/4/10)。「突き抜けた動物愛を持つウォード博士の視点は、まさに独特。目次を見ると「シロアリは女王のために自爆する」「ゴリラは自分の罪をネコになすりつける」「クジラは恨みを忘れない」など、どれも興味深いものばかりです。厚さ約4センチで、読み応えたっぷりの一冊」(中村未来氏)☆
著者について
アシュリー・ウォード【著】
英国ヨークシャー出身。シドニー大学の動物行動学の教授。ナンキョクオキアミから人類を含む哺乳類まで、動物行動の研究を積み重ねてきた。科学雑誌に100以上の論文を発表し、多くの学術書に引用されている。子供の頃から動物に夢中なり、で、川で釣りをしたり、丸太の下を覗いたりしていました。渓流で化石を探したり、丸太の下を覗いたりして過ごす。本書の元にもなったオーディブルオリジナル『THE SOCIAL LIVES OF ANIMALS』は、英国での宣伝が全くなかったにもかかわらず、2週間にわたってAudibleのチャートでトップを記録している。
夏目大 【訳】
(なつめ・だい)。1966年、大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。翻訳家。訳書にゴドフリー・スミス『タコの心身問題』(みすず書房)、ジューディア・パール『因果推論の科学』(文藝春秋)など多数。
「大変興味深く読み進めていましたが、途中で小学四年生の孫に取られてしまいました…
熱心に読んでいるので、そのままにしています。
孫が読み終わったら返して貰う予定ですが、待ち遠しいです♪」「確かに七百ページを超えるのはたじろぐが物知り爺さんの楽しい世間話でも聞くようにのんびりと読み進めるうちにふと、読み終えていた・・・・といったたぐいの本である。再読用に、ここは?とか、ここだ!とか感じたところにはそのキーワードを書き込んでおくと便利だ。」
「まだ読み始めたところですが、翻訳本としては翻訳の際の特有な違和感が無く面白く読ませていただいてます。
私は、特に生物学に興味がある訳ではありませんが、今まで知らなかった、動物の生態が素人にもわかりやすく解説されており、今度、孫達にも教えてやりたいと思える内容が盛りだくさんな本だと思います。」
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