うみは、ひとを好きになれない。
アミは、好きなひとと子供をつくるのがこわい。
かつて高校の同級生だったふたりは大人になって再会後、互いへの恋愛感情がないことを確認しあって、結婚した。
まだくちびるもかさねたことがないが、交配の約束はしている。
やがてうみが妊娠すると、アミは失踪してしまう。
そうして父親不在のまま、息子のアオは17歳になった――。
高校の教室、修学旅行の広島、江姫を弔う六本木、鰯売りの声が響く銀座カルティエ、奈良の庭先の満開の桜。
人びとが結びつき織り成した、膨大な時間と記憶の地層が、今生を生きる中で心の縁(よすが)となっていく。
繊細にして壮大な長編小説。
相互様に「好きそうやね」て言われた小説のサンプル読んですきすぎて崩れ落ちてる。朝吹真理孑のTIMELESSていうんですけど………………。好みが丸裸にされててめちゃくちゃ恥ずかしい嬉しい
— よび?? (@yobbbbbbbbi) March 27, 2022
「繁殖しなければ生物はほろびるという事実や、結婚して子をなすのがスタンダードだという暗黙の了解、結婚は恋愛に基づくのが望ましい(はずだ)という通念、それらに縛られずに生きられるのかというその問いは、家族とは何か、個人とは何か、生物とは何かという、より根元的な問いにつながっていく。
けれどこの小説のすばらしいところは、問いの大きさよりむしろ返答の小ささなのだ。」 ――作家・江國香織(解説より)
TIMELESS好きそうね→えまじ?作者しらべよ→朝吹真理孑やん!!!?(もともと好き)の流れがほんとうに驚いたし嬉しかったんだよお…!!!
読んでたら興奮して眠れん困った。1章おわったから無理やり寝よう……— よび?? (@yobbbbbbbbi) March 27, 2022
「最初は数ページ読んで寝落ち、を何度も繰り返してしまいましたが、なんともノスタルジーでなんだかんだと大好きな本です。気だるい夜に読みたくなります。(だから眠たくなるのかしら)」
「家族の形式的な絆を嘲笑うかの様なうみ。
しかし、アミと結んだ結婚という形。そして出産。
朝吹さんのあふれ出る構想が時を越え、時空を超え、
主人公達が、許し、受け入れる長い旅の様を、詩を読むがごとく
味わいました。
装丁の美しさも重なって、読んでよかったと思う一冊。」「起承転結のある物語がお好きな方や、小説にエンターテイメント性を求める方は、「つまらない」と感じても致し方ないでしょう。
純文学というよりも、より広義に、アートの領域で評価した方がよい内容だと感じました。個人的には、とにかく、素晴らしかったです。
言葉遣いの美しさにはうっとりしましたし、過去と現在をオーバーラップさせつつ物語を進める筆力には感嘆を禁じ得ませんでした。
これからも何度も読み返したい小説です。」
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