TIMELESS 朝吹真理子 (著) 新潮社; 文庫版 (2024/2/28) 825円

うみは、ひとを好きになれない。

アミは、好きなひとと子供をつくるのがこわい。

かつて高校の同級生だったふたりは大人になって再会後、互いへの恋愛感情がないことを確認しあって、結婚した。

まだくちびるもかさねたことがないが、交配の約束はしている。

やがてうみが妊娠すると、アミは失踪してしまう。

そうして父親不在のまま、息子のアオは17歳になった――。

高校の教室、修学旅行の広島、江姫を弔う六本木、鰯売りの声が響く銀座カルティエ、奈良の庭先の満開の桜。

人びとが結びつき織り成した、膨大な時間と記憶の地層が、今生を生きる中で心の縁(よすが)となっていく。

繊細にして壮大な長編小説。

「繁殖しなければ生物はほろびるという事実や、結婚して子をなすのがスタンダードだという暗黙の了解、結婚は恋愛に基づくのが望ましい(はずだ)という通念、それらに縛られずに生きられるのかというその問いは、家族とは何か、個人とは何か、生物とは何かという、より根元的な問いにつながっていく。
けれどこの小説のすばらしいところは、問いの大きさよりむしろ返答の小ささなのだ。」 ――作家・江國香織(解説より)

「最初は数ページ読んで寝落ち、を何度も繰り返してしまいましたが、なんともノスタルジーでなんだかんだと大好きな本です。気だるい夜に読みたくなります。(だから眠たくなるのかしら)」

「家族の形式的な絆を嘲笑うかの様なうみ。
しかし、アミと結んだ結婚という形。そして出産。
朝吹さんのあふれ出る構想が時を越え、時空を超え、
主人公達が、許し、受け入れる長い旅の様を、詩を読むがごとく
味わいました。
装丁の美しさも重なって、読んでよかったと思う一冊。」

「起承転結のある物語がお好きな方や、小説にエンターテイメント性を求める方は、「つまらない」と感じても致し方ないでしょう。
純文学というよりも、より広義に、アートの領域で評価した方がよい内容だと感じました。

個人的には、とにかく、素晴らしかったです。
言葉遣いの美しさにはうっとりしましたし、過去と現在をオーバーラップさせつつ物語を進める筆力には感嘆を禁じ得ませんでした。
これからも何度も読み返したい小説です。」


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

TIMELESS (新潮文庫) [ 朝吹 真理子 ]
価格:825円(税込、送料無料) (2024/3/2時点)

楽天で購入

 

 

おすすめの記事