さらさら流る 柚木麻子(著) 双葉社 (2020/9/9)

28歳の井出菫は、かつての恋人に撮られた自分のヌード写真をネットで偶然発見する。

親友の百合や家族、弁護士の助けもあり、写真を消去するために動きながら、菫は元恋人・光晴との日々や彼自身を思い起こす。

彼と一緒にいたとき、私が私でなくなるような感覚にいつも陥っていた……。

ひとりの女性の懊悩と不安をすくいとりながら、一歩ずつ自分の身体を取り戻す姿を描いた会心作。

「切っても切れない人格形成と家庭の関係、家族との時間。家がどんなものであると良いのかな、と子育て中の自分たちと重ねて読みました。自分本位な光晴が最後に自分をやっと見つめる事ができてどうか光晴のその後の人生が光射す大海原までたどり着けますように、と読み終わりました。」

「大学在学中の4年間、交際していた光晴に裸の写真を撮らせた菫。削除させたはずのそれが裏で出回っていることに6年後、気づく。出だしは、柚木氏に多い、女子校育ちの世間知らずなお嬢様の話かと思わせておいて、こうした展開は意外であり、現代的でもある。2人の他、菫の親友・百合の3つの視点で綴られ、物語に深みを持たせている。終盤に向けてやや無理があり、理屈っぽくも感じられるが、伏線の巧みさはさすが。男性作家だったら、この話、どう書くだろうと考えた。」

「さらさら流る 清流のイメージ
ところが
大学1年生のほのぼのとした恋愛
普通に恋して そして別れて
働きはじめて ある日 セットでとんでもないものを見つけてしまう。
そして苦悩な日々を過ごしていく。それでも 日常を過ごし自分を取り戻していく
ネット社会の怖さと人との繋がりの大事さが感じられた。
柚木麻子さん作品 もっと読んでみよう」


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