声に出せずに叫んでる 朝霧咲 (著) 講談社 (2025/2/12) 2,200円

母さんを殺したのは、俺だ――。

許せなかった。自分自身も、父の再婚も、大好きだった音楽も。

高校2年生の羽山陽介は母を亡くした幼少期の記憶に今も囚われていた。

男手一つで育ててくれた父と、突然紹介された父の恋人に懐く無邪気な妹。

あの人が家に来るたび作ってくれるカレーは、母の得意料理だった。

「俺、絶対認めないから」。

気持ちの整理がつかない日々の中、学校で不可解な事件が起こる。

切り刻まれた幼馴染のイヤホン、階段から突き落とされた友達。

突然部活を辞めたエース、誰とも長続きしない人気者、善意の押し売りに苦しむクラスメイト――。

それぞれの無言の叫びは渦となり、やがて溢れ出していく。

本当は誰かに叱ってほしい。お前を許すと言ってほしい。

誰も本当の意味では分かり合えない、それでも分かり合いたい。

僕たちは、必死にもがいて手を伸ばしている。

デビュー作で青春の「痛み」を暴いた若き才能が掬い上げるのは、「痛み」の先にある一筋の「救い」。

著者について
【朝霧 咲(あさぎり・さく)】

2004年、愛知県生まれ。『どうしようもなく辛かったよ』で第17回小説現代長編新人賞を受賞し2023年デビュー。受賞時高校3年生。その後受験を経て、現在京都大学に通う。


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