
20世紀が生んだ偉大な写真家のひとり、ロバート・キャパ。
「カメラの詩人」と言われ、またすぐれた「時代の証言者」でもあります。
その写真の背景には苦闘するヒューマニストの眼があります。
戦争の苦しみをとらえるとき、そこにキャパの人間としてのやさしさ,ユーモアがあります。
キャパは人間を取り捲く状況を少しでもよいものにしようというつよい信念と情熱をもって状況に身を投じましたが、それだけでなく写真のもつ衝撃力を見分ける確かな眼を持ち合わせていました。
1930年代ヨーロッパの政治的混乱。
スペイン内戦でドイツ・イタリアのファシスト政権に支援されたフランコ将軍の反乱軍によって次第に圧倒されて敗北する共和国政府軍、
日本軍による中国の漢口爆撃、
第二次世界大戦で連合軍の対ドイツ反攻作戦の始まる北アフリカから、イタリア戦線、ノルマンディー上陸作戦などの戦闘現場に立会い、
命がけの取材写真は眼に見える確かな記録として報道されました。
それらの多くは時空を越えて、後世の人びとにも訴えかけるつよいメッセージとなっています。

本書では数々の傑作から、“戦争”に焦点を当てた作品を厳選しました。
昨今のロシアとウクライナ、パレスチナやレバノンとイスラエル等の地域における紛争、
シリアのアサド政権崩壊による影響など、
世界の現状は、残念ながらキャパの願った「人間を取り捲く状況を少しでもよいものにしよう」という思いとはほど遠いものです。
それ故に戦後80年のいまこそ、あらためてキャパの写真証言を見直すことの意義があります。
東京都写真美術館「ロバート・キャパ 戦争」
2025年3月15日~5月11日1)ジャーナリストを目指す2)スペイン内戦3)日中戦争4)第二次世界大戦 5)イスラエル建国 6)終焉の地 ― インドシナ半島 pic.twitter.com/j8EKixVBMW
— Tak(たけ) @『いちばんやさしい美術鑑賞』 (@taktwi) February 11, 2025
著者について
1913年ハンガリーのブダペスト?まれたロバート・キャパ(本名アンドレ・フリードマン)。報道写真家として1930年代から死去までの20年余に世界各地の戦場を駆け巡り、臨場感あふれる作品を数多く残しました。とくにスペイン内戦での《崩れ落ちる兵?》や、ノルマンディー上陸作戦に同?して撮影した《D デー》は報道写真の歴史に残る傑作です。1947年にはアンリ・カルティエ?ブレッソンやデヴィッド・シーモアらとともに国際写真家集団「マグナム・フォト」を結成しました。1954年に来?し、東京や奈良、?阪など訪れた後、第?次インドシナ戦争を取材に向かい、撮影中に地雷に触れ、40 年の?涯を閉じました。
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